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リアルな今の韓国を伝える「真!韓国映画祭2011」

 名古屋のミニシアター・シネマスコーレと韓国の映画会社キノ・アイの共同配給で昨年よりスタートした「真!韓国映画祭」。今年も韓国の家庭問題や社会問題といった身近なテーマを扱った作品群を紹介し、「今を知る、本物の韓国映画がここにある」というキャッチフレーズのもと、韓国のリアルな姿を伝えます。特に注目なのが、人種問題と家庭問題をミックスさせた『ソウルのバングラデシュ人』と、99年まで韓国とアメリカ政府に封印されていた朝鮮戦争時代の事件を描いた『小さな池/ノグンリ虐殺事件』。前者は『息もできない』を彷佛とさせる閉息感に満ちており、後者は韓国ならではの自国の恥部を暴いた作品で、多数の有名俳優たちがカメオ出演しています。

 さらに、今回は特別上映として、昨年上映された4作品の他、『サマリア』『牛の鈴音』から『アンティーク/西洋洋菓子店』『キッチン/3人のレシピ』『私のちいさなピアニスト』といった人気作品も朝の回(10:30より)で連日上映。見逃した人は、ぜひ劇場へ。いろんなタイプの韓国映画を味わえるチャンスです。

●上映作品

ソウルのバングラデシュ人(Bandhobi/09年/107分)

ソウルのバングラデシュ人 監督:シン・ドンイル
主演:ペク・ジニ、マーブブ・アラム・ポロブ、イ・イルファ

バングラデシュから韓国に出稼ぎに来ているカリムは、1年分の給与を踏み倒され困っていた。一方、女子高生ミンソは英語塾に通おうとアルバイトを始めるが、資金は思うように貯まらない。そんな二人がある日、バスで乗り合わせ、ミンソはカリムがバスに忘れた財布を拾って知らん振りしてしまう…。

2009年 全州国際映画祭 観客評論家賞
2009年 田辺・弁慶映画祭 特別審査員賞/映検審査員賞

小さな池/1950年・ノグンリ虐殺事件(A Little Pond/10年/86分)

小さな池/1950年・ノグンリ虐殺事件 監督:イ・サンウ
主演:カン・キョンヒ、カン・シニル、キム・カヨン、キム・ドクウン、ムン・ソリ、ソン・ガンホ、パク・グァンジョン

1950年7月、避難した村の住民数百人が米軍の無差別射撃で無残に殺害された老斤里(ノグンリ)事件の映画化。韓国政府とアメリカ政府によって 50年間否定され続けてきたこの事件は、99年にAP通信の記者によって真相が明らかにされ、翌年ピューリッツァー賞の報道部門を受賞している。作品には韓国映画界最高のスタッフ、演劇および映画界の有名な俳優たちが参加。

坡州 パジュ(Paju/09年/110分)

坡州 パジュ 監督:パク・チャノク
出演:イ・ソンギュ、ソウ、シム・イヨン、キム・ポギョン

インド放浪生活から生まれ故郷パジュへ帰ってきたウンモ。そこでは事故死した姉ウンスの夫、ジュンシクが以前と変わらず暮らしていた。ウンモは、かつて学生運動の運動家だったジュンシクに対し、姉の生前から複雑な感情を抱いており、姉の死後は互いに異性を感じていた。やがてウンモは姉の死に疑念を抱くようになり、ジュンシクはその攻めを甘受する…。

2009年 釜山国際映画祭 NETPAC賞

キュレーター、ジョンフンさんの恋愛日記
(The 8 Sentiments/10年/90分)

キュレーター、ジョンフンさんの恋愛日記 監督:ソン・ジヘ
出演:キム・ヨンホ、ファン・イニョン、ユン・ジュヒ

有名ギャラリーのキュレーター、ジョンフンは、有名画家チョン画伯の展示準備で釜山を訪問。そこで、以前から知り合いだったウンジュに再会。真っ白な看護服を着て、純粋な笑顔で迎えてくれた彼女に心を奪われる。ソウルに戻ってきたジョンフンは、恋人ソニョンに別れを告げ、ウンジュとの愛を育てていくのだが…。気まぐれな男女の正直な感情を、女性監督のソン・ジヘがリアルに、ユーモラスに、そして個性的に描いた作品。

ただよう想い。(Drifting Away/09年/90分)*特別上映

ただよう想い。 監督:キム・ドンウォン
出演:イ・キョン、コ・ジュニ、シン・ドンミ

9歳年上の女性と結婚し、7歳の娘がいるチャニョンは19歳の売れないミュージカル俳優だ。ミュージカルの公演中、俳優仲間のタンビは勇気を出して舞台裏でチャニョンの手を握る。チャニョンもじっとしている。タンビはそれでいいと思う。ある日、愛の詩を読んでいたタンビがチャニョンに携帯メールを送る。愛らしいタンビを拒否することができないチャニョン。チャニョンとタンビは、現実と舞台の上で愛を育むのだが…。

ささやきの夏(Summer Whispers/09年/96分)*特別上映

ささやきの夏 監督:キム・ウンジュ
出演:イ・ヨンウン、ハ・ソクジン

愛する妻と死別し、ガンコに生きてきたノ教授にとって、本と植木は人生の全てだ。夏休みのある日、ノ教授は息子に会いにアメリカへ旅立ち、本の整理を教え子のヨンジョに、植木の世話を花屋の青年ユンスに頼んで行く。家には教授が飼っている猫ドンチが留守を守っていた。しかし、ヨンジョは猫アレルギー。ドンチを一室に閉じ込めて本の整理を始めた。入れ違いに教授の家にやってくるユンスは、閉じ込められたドンチを救い出す…。


▲真!韓国映画祭 ▼パン・ホーチョン特集
更新日:2011.5.31
●back numbers

●期間:5/28-6/17
●会場:新宿K's Cinema
*上映タイムテーブルは上記劇場サイトをご覧ください。
チケット情報
●特別観賞券:1200円
*上映期間中1回有効。
チケットぴあ(P/462-864)にて発売中。
●第1回作品も同時上映!
飛べ、ペンギン
空を歩く少年
今、このままがいい
ビバ!ラブ
▼第1回紹介ページ
●その他の特別上映作品
サマリア
キッチン/3人のレシピ
アンティーク/西洋洋菓子店
私の小さなピアニスト
牛の鈴音
開催期間中「韓国映画の顔、CINE F.A.N 写真展」を開催!
ペ・ヨンジュン、イ・ビョンホン、ウォンビン、ソン・スンホンが、韓国の映画雑誌CINE21の表紙を飾った写真をパネルで展示!
共同配給:
キノアイ
シネマスコーレ
新宿K's Cinema 特集上映情報
「真!韓国映画祭2011」に続いて、6/18より「韓国ニュー・ウェーブ、再発見」と銘打ち韓国の国民的名優アン・ソンギが若い頃に主演した名作『風吹く良き日』と『鯨とり/ナドヤカンダ』を連続上映予定。(公式サイトはこちら▼