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ASICRO FOCUS file no.144

「義兄弟」で来日!カン・ドンウォン記者会見

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2年ぶりに来日したカン・ドンウォン
(c)エス・ピー・オー
2010.9.13
きゅりあん大ホール(大井町)

 10月30日より公開中の『義兄弟』。新鋭監督チャン・フンの2作目にして、人気俳優ソン・ガンホとカン・ドンウォンの演技対決ということでも注目の作品です。9月には東京と大阪で開催されたプレミア試写会舞台挨拶のために、主演のカン・ドンウォンが単独で来日。イベント前に記者会見が開かれましたので、ご紹介します。

 司会「約2年ぶりの来日ですが、ご挨拶をどうぞ」

 ドンウォン「韓国でも一人で『義兄弟』の記者会見をしたことはありません。今日は来てくださってありがとうございます」

 司会「この作品に出演を決めた最大の理由は何だったのでしょう?」

 ドンウォン「『チョン・ウチ』の撮影中にシナリオを受取りました。読んだ時は、とても完成度の高いシナリオだなあと思ったことが印象に残っています。韓国映画界の新人監督として脚光を浴びていたチャン・フン監督の作品でもありましたし、ソン・ガンホさんはすでにキャスティングされていました。それで、半分以上はやろうと心が傾いていたところに、監督とお会いしてお酒を飲んでお話をしたのですが、とても信頼できる方だと思いました。ほんとうは、お話を聞いてから考え直そうと思っていたのですが、『僕を信じて一緒にやりませんか?』と言われて『はい、やります!』と即答してしまいました」

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単独でのPR記者会見は初めて
(c)エス・ピー・オー
Q:役になりきるタイプですか? それとも客観的にみて演じるタイプ? 役柄に対する姿勢を教えてください。

 ドンウォン「自分が役をどう演じるかについては、特に哲学があるわけではなくて、その都度、感じた通りに演じようとしています。それから、常にモニタリングを通して、ここを直そうとか、ここはこういう風にしようとチェックして、新しい演じ方をしようと努力はしています。中には役作りのために、役に成りきって仕種や身体の動きまですべてを研究される役者さんもいらっしゃいますが、僕は基本的にはシナリオに忠実にアプローチし、煮詰まる時にはいろんなことを考えて課題を解決するというスタイルです。なので、客観的なのか成りきるタイプなのかどちらとも言えませんが、自分なりのスタイル、やり方があると言えます」

Q:撮影中はソン・ガンホさんとずいぶんお酒を飲んだそうですが、どんなお話をされたのですか? 今でも連絡は取り合っていますか?

 ドンウォン「撮影が終って少し経ちますが、ソン・ガンホ先輩とは今でも連絡をして、たまに会ってはお酒を飲んだりしています。撮影中も今も会うと、自分が悩んだり煮詰まったりしている時は、とてもいいアドバイスをしてくれます。撮影中は忙しかったのでそれほどたくさん飲めるわけではありませんでしたが、いつも楽しく飲んでいました。他のスタッフは皆、お酒が飲めなかったので、いつもソン・ガンホさんと二人でした。演技の話もするけれど、プライベートな話をすることが多く、子どもの頃の話もして、胸中を打ち明けられるとてもいい先輩と出会えました」

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上着を脱いでくれました!
(c)エス・ピー・オー
Q:今年公開の3作品はどれも男性が共演者ですが、そのような作品に惹かれる理由は? また北朝鮮の工作員でありながら父親でもある役でしたが、難しくはなかったですか?

 ドンウォン「たまたま気に入った作品の相手が女優さんではなかったのと、個人的にメローなジャンルには惹かれないので、年明けの作品はそうなったのかもしれません。また、韓国映画界でも、メローな作品よりも男性が主人公の映画の方がマーケット的にも魅力があり、需要があるからかもしれません。
 お父さん役については、最初、演じる前は僕には似合わないのではないかと思っていました。子どもといっても抱っこできるような小さい子どもではなくて6、7歳くらいの女の子だったので、似合わないと思っていたんですが、やってみたらあまりにも似合っていてショックでした(笑)」

Q:一番好きなシーン、おすすめのシーンを教えてください。

 ドンウォン「好きなシーンは、映画でも見所となる場面ですが、ソン・ガンホさんと心を通いあわせる祭祀を行うシーンです。自分にとっても重要なシーンだったし、映画にとってもクライマックスだったと思います。最も記憶に残るシーンでもあります。そのシーンを撮る時のエピソードですが、お辞儀をしながら立ち上がる時に悲しい感情を表現するところがあります。前日に通しでリハーサルをした時は感情が入り過ぎて涙をたくさん流したのですが、本番では10何テイクも撮ってしまいました。その時、ソン・ガンホさんは、僕が一番うまく感情を表現できるまで、ずっと黙っていてくれたことが記憶に残っています」

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対照的な二人の演技対決が見所! (c)2010 Showbox/Mediaplex

Q:今回は役作りのために脱北者の方と話したりしましたか? また、南北問題は日本にとっては近くて遠い話ですが、日本の観客にはどんな風に観て欲しいですか?

 ドンウォン「『私たちの幸せな時間』の時は死刑囚の方と会いました。今回『義兄弟』の撮影に入る前にも、実際に工作員だった方には会えませんでしたが、脱北者の方2人に会うことができました。でも正直なところ、脱北者の方に会ったことが演技にどれほどプラスになったかについては少し疑問を持っています。2つの面があって、アイデアを得られるからいいという考え方もありますが、僕の場合はその方のイメージが脳裏に焼き付いて想像力を妨げる要因にもなると考えているので、どこまで役に立ったかについては少し疑問があります。ちなみに、お会いしたのは監督に言われたからです。南北問題については、日本の皆さんには単純に映画として観ていただきたいと思います。政治色が強いものではなく、2人の男が友情を築きあい分かち合うという映画なので、映画として楽しんでいただければうれしいです」

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全身はこんなスタイル(拡大左拡大右
左:(c)エス・ピー・オー 右:(c)アジクロ
 ここで記者会見は終了。短い会見でしたが、一人での記者会見はけっこう楽しめたようで、フォトセッションが終った後に「今日はほんとうに来てくださってありがとうございました。こうやって一人で記者会見をするのは慣れなくて初めてなのですが、わるくないですね(笑)。ありがとうございました」と、お礼の言葉を残して去っていきました。

 今回の来日では新作『超能力者』の撮影中だったこともあり、ふわふわのヘアスタイルも印象的でしたが、11月中にはいよいよ兵役へ入隊。しばらくスクリーンで会えないのが残念ですが、まずは『義兄弟』で、韓国映画評論家賞で見事、主演男優賞を獲得した渾身の演技をご堪能ください。さらに『チョン・ウチ』『カメリア』『超能力者』と、今後公開が期待できそうな作品がいくつかありますので、そちらも楽しみに待つとしましょう。


▼作品紹介
更新日:2010.11.9
●back numbers

記者会見の表記
司会・質問者
ドンウォン(カン・ドンウォン)
profile
カン・ドンウォン
Gang Dong Won/姜棟元

1981年1月18日生まれ。大学時代にスカウトされてモデルとなり、03年にドラマ「威風堂々な彼女」で俳優デビュー。翌年、『彼女を信じないでください』で映画に進出し、各映画賞で新人賞や人気賞を受賞。さらに『オオカミの誘惑』で女子中高生のアイドルとなり大ブレイク。『デュエリスト』以降は活動の拠点を映画に移し、数々の話題作に出演している。本作で韓国映画評論家賞の最優秀主演男優賞を受賞。

11月10日より韓国公開の最新作『超能力者』(キム・ミンソク監督)ではコ・スと共演。持ち前の眼力を活かした超能力者役を演じている。尚、11月18日からは公益勤務要員として2年間の兵役に就く予定。
filmography
drama
威風堂々な彼女(03)
1%の奇跡(03)
マジック(04)
movie
彼女を信じないでください
 (04)
オオカミの誘惑(04)
デュエリスト(05)
私たちの幸せな時間(06)
・あいつの声(07)
M(エム)(07)
・チョン・ウチ(09)
 *福岡アジア映画祭2010で
 上映
義兄弟(10)
ラブ・フォー・セール(10)
 *『カメリア』3部作の1編
・超能力者(10)
関連サイト&過去の特集
公式サイト(日本語)
「オオカミの誘惑」記者会見
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