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ASICRO FOCUS file no.126

阿部寛が語るジージャーとタイ・アクション

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スタントなしでアクションに挑戦。
 ここ数年、映画にドラマにと、話題作への出演が目立っている阿部寛。本作では日本人ヤクザ役で登場し、タイ・マフィアの情婦と恋に落ち、ジージャー演じるゼンの父親となる役を演じます。ジージャーと初共演した印象は?

 阿部「撮影が同時進行ではなかったので、一番見たかった彼女のアクションの撮影シーンは見られなかったけど、完成したものを見て、これを撮るのはどれだけ大変だったんだろうと、想像はできました。スタジオに段ボールやベニヤ板のセットが組んであったのですが、スタッフに聞いたところ、ジージャーはそこで3か月前からずっと特訓していたと聞いて、アクションへのこだわりも含めて、それだけ作品に情熱を注げるこのチームの体制にも頭が下がる思いでした」

 そんな、こだわりのタイ・アクションに、今回は自らも参加しています。

 阿部「ヤクザとしてのソード・アクションのシーンがあり、30人くらいのスタントマンが一斉に僕に向かってくるというシーンでした。その30人全て、レベルが高いんです。僕がよろけたりすると、見えないように支えてくれたり、知らないうちに助けられた。そして、できたものは、僕のアクションをはるかに超えていました。監督の力ももちろんですが、スタントマンのレベルの高さも加わって、あのアクションシーンができていると思いましたね。日本にもレベルの高いスタントマンはもちろんいますが、30人全員がレベルが高いのにはびっくりした」

 そして、やはり怪我も体験したそうです。

 阿部「今や幻となってしまった殺陣シーンなんですが、もともとは刀を使わず、オランダ、韓国のキック・ボクシングの選手と、タイのムエタイ・チャンピオン3人にボコボコに殴られるというシーンが当初あったんです。その撮影は3日間あったんですが、オランダの女子プロ選手のパンチがまともに2発当たってしまい…。監督は映像がないと言っていますが、2発とも本番テイクだったので、残ってると思いますよ(笑)。それは、ぜひDVDで(笑)。

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刀のアクションでは日本人としてのアドバイスも。
左手に抱いている恋人ジン(ゼンの母親)を演じる人気歌手
ノム・アマラー・シリポンの熱演も見逃せません。

 そのまま撮影は続行して、最後まで撮りきったんですが、1年半後にやっぱりソード・アクションで行きたいと監督に言われ、再びタイへ行きました。やはり日本人だから刀、というところに監督はこだわられたのだと思います。1年半後に撮り直しと聞いた時、アクションシーン、そして映画へのこだわりを感じて、僕は逆に嬉しかったです。

 実際に現場を見ていると、ラストのメイキングにあるように、怪我人とかも出てるんですよ。特に最後のシーン、ジージャーがビルの上で戦うシーンは圧巻だと思います。CGでごまかせるのに、それを使わないでやっている。主演の少女に生でアクションをやらせている。その監督のリアル・ファイトへのこだわり、そのリアリティが感動です」

 そんなこだわりのアクション・シーンですが、日本人としてのアドバイスも忘れませんでした。

 阿部「刀のアクションということで、日本人の僕の意見も聞かれました。時代劇っぽい形なのか、それともヤクザのイメージなのか、と聞いたところ、後者だというので今回のような形になったんです。やっぱり外国の映画だと、日本文化に対する誤解などが多々あるので、そこはできる限りお手伝いさせてもらいました」

 そんな阿部寛が気に入っているシーンは?

 阿部「最初に僕の役であるヤクザが登場するシーンです。外国映画っぽい空気感というか、ハードボイルドな背景というか、なかなか日本では見たことがない映像の風合いなので、気に入ってます。全体的に好きなんですけれどね」

 尚、『チョコレート・ファイター』日本公開版では、監督の希望により、冒頭で日本人ヤクザ・マサシの生い立ちを語るナレーション部分を阿部寛本人が吹き替えています。ファンの皆さんは、そこもお楽しみに。(監督インタビューへ)

(c)2008 sahamongkolfilm international
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更新日:2009.5.16
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インタビューの表記
阿部(阿部寛)
阿部寛/Abe Hiroshi
1964年6月22日生まれ。横浜市出身。85年、集英社主催「ノンノボーイフレンド大賞」で優勝。モデルとして活躍し、TVにも出演。87年に映画『はいからさんが通る』で俳優デビュー。以後、長身のクールな2枚目としてドラマ、舞台、映画で多彩な活躍を続けている。

阿部寛 公式サイト
filmography -movie
・はいからさんが通る(87)
・YAWARA!(89)
・孔雀王アシュラ伝説(90)
・リング・リング・リング
 涙のチャンピオンベルト(93)
・プロゴルファー織部金次郎
 (93)
・凶銃ルガーP08(94)
・プロゴルファー織部金次郎2
 /パーでいいんだ(94)
・大阪極道戦争 しのいだれ(94)
・AMPO(94)
・ヤマトタケル(94)
・サンクチュアリ(95)
・プロゴルファー織部金次郎3
 /飛べバーディー(95)
・人でなしの恋(95)
・女賭博師 花吹雪お涼(96)
・タオの月(97)
・フレンチドレッシング(98)
・プロゴルファー織部金次郎5
 /愛しのロストボール(98)
・必殺! 三味線屋・勇次(99)
・ゴジラ2000/MILLENNIUM
 (99)

・東京攻略(2000)
 *香港映画 
・発狂する唇(2000)
・HYSTERIC(2000)
・新GONIN 極道番外地(2000)
・しあわせ家族計画(2000)
・RUSH!(01)
・プラトニック・セックス(01)
・血を吸う宇宙(01)
・トリック劇場版(02)
・監督感染「KENENN」(03)
・花とアリス(04)
・恋人はスナイパー 劇場版(04)
・SURVIVE STYLE5+(04)
・雨鱒の川(04)
・鉄人28号(05)
・ハサミ男(05)
・姑獲鳥の夏(05)
・奇談(05)
・サイレン/FORBIDDEN SIREN
 (06)
・真救世主伝説 北斗の拳
 /ラオウ伝 殉愛の章(06)
・トリック劇場版2(06)
・バルトの楽園(06)
・アジアンタムブルー(06)
・バブルへGO!!
 タイムマシンはドラム式(07)
・大帝の剣(07)
・真救世主伝説 北斗の拳
 /ラオウ伝 激闘の章(07)
・伝染歌(07)
・HERO(07)
・自虐の詩(07)
・魍魎の匣(07)
・チーム・バチスタの栄光(08)
・チョコレート・ファイター
 (08)
・ 隠し砦の三悪人(08)
・歩いても 歩いても(08)
・青い鳥(08)
・真救世主伝説 北斗の拳ZERO
 /ケンシロウ伝(08)
・ジェネラル・ルージュの凱旋
 (09)