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ASICRO FOCUS file no.63

リッチー・レン 東京公演レポート&記者会見

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初めての日本公演で歌うリッチー・レン
2006.12.8
練馬文化センター大ホール

 台湾の人気実力派シンガー、リッチー・レン(任賢齊)が、日本で初めてのソロ・コンサートを開きました。地元台湾のみならず、香港や中国大陸でも歌に映画にと活躍し、日本にも根強いファンを持つリッチー。フォークをベースにした独特の歌唱スタイルと爽やかな男っぽさが魅力ですが、日本では『星願/あなたにもういちど』や『シルバーホーク』『ブレイキング・ニュース』などで、映画俳優としての方が知られているかもしれません。

 そんなリッチーに初めて会ったのは、一昨年の日中カラオケ・コンクールでのゲスト来日時。アジクロでも、単独インタビューをさせていただきましたが、なんと2年後に「中国文化フェスティバル2006」の一環イベントとして、その時と同じ会場でソロ・コンサートが開催されたのでした。

 ステージはバンドだけのシンプルな構成。オープニングはアップテンポの「再出発」で、黒いレザーパンツに黒のタンクトップ姿で元気に登場したリッチーに、場内は早くも総立ち。北京語のMCに日本語も交えつつ、お馴染みのヒットナンバーを3曲歌い盛り上げます。途中からは自らギターも。ステージ経験豊富なリッチーだけに、蛍光棒を振るファンたちを日本語で「右!」「左!」と誘導するのもさすがです。


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バンドと歌だけのシンプルなステージ
(写真が小さくてすみません…)

 ひとしきり盛り上がった後は、ステージ前に突進していたファンたちを席に戻して、場内を落ち着かせ、新譜のタイトル曲「老地方」をしみじみと歌います。続いて映画の話題となり、日本でも人気の『星願/あなたにもういちど』から「燭光」「星語心願」。ステージの背景には星空が輝いていました。途中、ファンから花束をもらう時には、必ずハグの大サービス。プレゼントを渡しにやって来るファンが絶えませんでした(笑)。「依靠」でいったん退場して、前半が終了。

 バンド演奏の間に衣装替えをしたリッチーは、裾の長い黒のチャイナガウン(旗袍)を優雅に纏って再登場。ファンから扇子も渡されて、大陸風の「任逍遥」を歌います。ここでは、最前列にいた男性ファンにマイクを向け、サビの部分を歌ってもらう場面もあり。続く「傷心太平洋」では、後半を元歌(中島みゆきの「幸せ」)の日本語で披露。さらに「スキヤキ」のタイトルで「上を向いて歩こう」を日本語と英語で。若干、歌詞の覚え間違いはありましたが、日本語で歌ってくれただけでもうれしいひとときでした。次の「小雪」では笛も披露。


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黒い旗袍に扇子を持って歌うリッチー
 しっとりタイムはここまでで、ガウンを脱ぎ捨て、白いTシャツに黒のレザーパンツという軽装になると、再びギターを抱えて「心情車站」をかわいく歌い、「我是一隻小小鳥」ではハーモニカ演奏も。サビの部分ではファンと大合唱。一気に盛り上がったところで、大ヒット曲「心太軟」。そしてバンド紹介。ラストは「對面的女孩看過來」のロックバージョンで、さらにヒートアップ。ファンにはお馴染みの振付けをリッチーが自ら指導するなど、まさに観客と一体となった幸せなステージは「See you next time!」で終了しました。

 アンコールは2曲。2曲目はテレサ・テンからフェイ・ウォン、レスリー・チャン…と、多くの大スターたちに歌い継がれている名曲「月亮代表我的心」。日本のファンにもよく知られている曲ですが、場内には香港・台湾から駆けつけたファンや在日中国人の観客も多く、これまた大合唱になっていました。

 90分と短いながらも、ヒット曲を中心にコンパクトにまとまった今回のコンサート。ファンにとっても、初めてリッチーの歌を聴いた人にとっても、満足のいくステージだったことでしょう。構成はバンドと歌だけというシンプルなものでしたが、歌唱力と人柄に加え、観客とのコラボレーションを演出する力で、充分に楽しめる内容になっていました。まさに、ライブの原点を観たという感じ。普段は何万人単位の大きなステージで、ダンサーを引き連れての大掛かりなコンサートを行っているリッチーですが、小さな会場のライブならではの一体感を、リッチー自身も楽しんだようです。この辺りは、コンサート後に行われた記者会見の模様をご覧ください。(記者会見へ)

▲コンサート・レポート|▼記者会見
更新日:2006.12.26
●back numbers
公演情報
任賢齊 東京演唱會
12/8:
練馬文化センター大ホール
19:10-20:40
rundown
・再出發
・浪花一朶朶
・春天花會開
・我是一隻魚

・老地方
・燭光
・星語心願
・依靠

*バンド演奏(衣装替え)

・任逍遥
・傷心太平洋/幸せ
・スキヤキ(上を向いて歩こう)
・小雪

・心情車站
・我是一隻小小鳥
・心太軟
・對面的女孩看過來(ロック版)

*アンコール
・永不退縮
・月亮代表我的心

老地方><br>
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最新アルバム『老地方』
(06)

老地方><br>
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『情義 光耀全紀録』
(04)
*新曲を含むベストアルバム
*コンサートで歌われた18曲中の12曲が入っています。


関連サイト&ページ
・台湾公式FC小齊家族
・小齊家族 日本
・台湾EMI「老地方」サイト
・2004年のインタビュー