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ASICRO FOCUS file no.44

初配給作品を含む7作品を上映。

 今年もシネマコリアの季節がやって来ました。毎年、韓国映画未公開作品の中から選りすぐりの作品を紹介し、後に劇場公開される作品も数多く輩出しているこの企画上映。商業映画だけでなく、良質なインディペンデント系の作品にもスポットをあて、今回はシネマコリアの初配給作品となる『まぶしい一日』も上映されます。これは、日韓の俳優による日韓をテーマにした、新しいタイプのコラボレーション作品。在日韓国人で期待の新人女優ソ・ヨンファ(キム・ギドク監督の『時間』にも出演)や、韓国で活躍中の日本人男優・塩田貞治(『卓球温泉』)がドラマ『新入社員』のイ・ソヨンと共演します。

 その他、ハン・ソッキュや『うつせみ』で注目されたジェヒの最新作、『大統領の理髪師』のムン・ソリ&イ・ジェウンが再び親子を演じる新作、人権オムニバス映画『もし、あなたなら/6つの視線』の第2弾、そして話題作『トンマッコルへようこそ』の原作を書いたチャン・ジン監督の新作と、どれも注目のラインナップ。チケットの確保はお早めにどうぞ。

●作品ラインナップ

まぶしい一日(One Shining Day/06年/133分)

宝島

母をたずねて三千里

空港男女
韓国へ渡った日本の若手俳優・スタッフの参加を得て製作された異色のオムニバス青春映画。みずみずしいタッチで、日常感覚の日韓関係が描かれる。済州島、ソウルと東京、そして仁川国際空港。それぞれの場所での、たった一日の出来事が、日本と韓国の若者の出会いと成長を中心に語られる。
第1話『宝島』(The Treasure Island)
監督:キム・ソンホ
主演:森透江、ソ・ヨンファ
祖父が若かりし頃、残してきた宝物を探しに、済州島を訪れた若い日本人女性二人。彼女たちが韓国で体験する出来事を描いたロードムービー。監督は『Mirror 鏡の中』のキム・ソンホ。
Guest:キム・ソンホ(東京)、ソ・ヨンファ(東京/名古屋)
第2話『母をたずねて三千里』(Good-bye)
監督:キム・ジョングァン
主演:キム・ドンヨン、チョン・デフン
ソウルの街角で詐欺を繰り返す不良高校生。彼には、日本へ行ってしまった母親に会うため旅費を稼ぐという目的があった。短編『ポラロイドカメラの使い方』で一躍韓国短編映画界のスターとなったキム・ジョングァン監督作品。
第3話『空港男女』 (The Beautiful Strangers)
監督:ミン・ドンヒョン
主演:イ・ソヨン、塩田貞治
帰国便に乗り損ねてしまった日本人の男の子が、空港の書店で働く韓国人の女の子と知り合う。自分の国の言葉しか話せない二人は、何とかして意思疎通を図ろうとするが…。監督のミン・ドンヒョンは『ケンカの技術』でシナリオを共同執筆。
Guest:塩田貞治(東京予定)

けつわり(ESCAPE -ketsuwari-/06年/27分)

けつわり 監督:安藤大佑
主演:ヤン・イクチュン、須田拓実

安藤大佑監督が、祖父の実話をベースに戦時下における朝鮮人と日本人の交流を描く。昭和18年、福岡の筑豊。炭鉱から逃げ出した朝鮮人坑夫を、いじめられっ子の少年が家にかくまう。次第に心を通わせていくふたりだが、捜索の手は目前に迫っていた。主演は『まぶしい一日』の『宝島』にも出演し、韓国インディペンデント映画界で監督・俳優として活躍するヤン・イクチュン。
Guest:安藤大佑(東京・福岡)

ケンカの技術(Art of Fighting/06年/100分)

ケンカの技術 監督:シン・ハンソル
主演:ペク・ユンシク、ジェヒ、イ・ムンシク

キム・ギドク監督の『うつせみ』やドラマ『怪傑春香』で人気急上昇中の目力(めじから)男優ジェヒと、『地球を守れ!』『ビッグ・スウィンドル!』で圧倒的な存在感を示したベテラン俳優ペク・ユンシクが共演した青春アクションムービー。いじめられっ子の高校生が、ある日、隠遁生活を送っていたケンカの達人と出会い、彼に教えを請うのだが…。
Guest:シン・ハンソル(東京)

愛してる、マルスンさん(Bravo, My Life/05年/93分)

愛してる、マルスンさん 監督:パク・フンシク
主演:ムン・ソリ、イ・ジェウン、ユン・ジンソ、キム・ドンヨン

パク・フンシク監督が、前作『初恋のアルバム/人魚姫のいた島』に続いて、母と子をテーマに描いた感動作。時代は1970年代の末。日本でも大流行した「不幸の手紙」に振り回される少年と、その家族の日常が、懐かしさに包まれた笑いと涙で描かれる。『大統領の理髪師』で母子役を演じたムン・ソリと名子役イ・ジェウンが本作でもふたたび親子を演じている。
Guest:パク・フンシク(東京)

拍手する時に去れ(Murder, Take One/05年/115分)

拍手する時に去れ 監督:チャン・ジン
主演:チャ・スンウォン、シン・ハギュン、シン・グ、キム・ジス

『トンマッコルへようこそ』原作のチャン・ジン監督が自らの演劇作品を映画化したバラエティ・リアル捜査劇。ホテルで女性の刺殺死体が発見され、その容疑者が逮捕される。異例の「殺人事件捜査TV生中継」が実施され、全国民が見守る中、捜査が進められるのだが…。ミステリアスなストーリーを引っ張るのはシン・ハギュンをはじめとするチャン・ジン組とチャ・スンウォン。
Guest:チャン・ジン(交渉中)

もし、あなたなら2/五つの視線(If You Were Me 2/06年/112分)

皆が理解してあげなくちゃ

男だったらわかるだろ?
リュックサックを背負った少年

ありがたい人
鍾路(チョンノ)、冬
昨年単館ロードショーされた、著名監督による人権オムニバス『もし、あなたなら〜6つの視線』の第2弾企画。今回はダウン症の少女、男らしさ、脱北少年少女、非正規雇用、出稼ぎ中国朝鮮族をテーマに、5人の監督が個性豊かに、様々な「ヒューマン・ライツ」を描いている。
第1話『皆が理解してあげなくちゃ』(Seaside Flower)
監督:パク・キョンヒ
主演:チョン・ウネ、ソ・ジュヒ、シン・インスク
『微笑』でデビューした女性監督パク・キョンヒが、ダウン症の少女の日常生活を通して、障害者の孤独や健常者との共存問題を描く。
第2話『男だったらわかるだろ?』(Hey, Man〜)
監督:リュ・スンワン
主演:キム・スヒョン、アン・ギルガン、イ・ジョンホン、
   オン・ジュワン
『クライング・フィスト』のリュ・スンワン監督が、「男らしさ」の固定観念にとらわれた男の悲哀をコミカルに描く。豪華な特別出演陣にも注目!
第3話『リュックサックを背負った少年』
(A Boy with the Knapsack)
監督:チョン・ジウ
主演:イ・ジンソン、オ・テギョン
『ハッピーエンド』『親知らず』のチョン・ジウ監督が、北朝鮮から亡命してきたものの、韓国社会に受け入れてもらえない、少年少女の日常を描く。
第4話『ありがたい人』(Someone Grateful)
監督:チャン・ジン
主演:リュ・スンヨン、イ・ジヨン、コン・ホソク
演劇畑出身で、韓国の三谷幸喜とも評される『拍手する時に去れ』のチャン・ジン監督が、「非正規雇用」の問題をコメディタッチにチクリと風刺する。。
第5話『鍾路(チョンノ)、冬』(Jongno, Winter)
監督:キム・ドンウォン
主演:チョン・ウネ、ソ・ジュヒ、シン・インスク
『送還日記』のキム・ドンウォン監督が、真冬のソウルで凍死した出稼ぎ中国朝鮮族男性の足跡をたどるドキュメンタリー。
Guest:イ・ジンスク/プロデューサー(東京)

ミスター主婦クイズ王(Mr. Housewife/05年/107分)

ミスター主婦クイズ王 監督:ユ・ソンドン
主演:ハン・ソッキュ、シン・ウンギョン、コン・ヒョンジン

韓国内に14万人いると言われる「主夫」を題材にした、コミカル・ファミリー映画。専業主夫の満点パパが、テレビ番組「主婦クイズ王」に出場。有名人になってしまったことから家庭内がぎくしゃくし始める。元の平和な家庭は取り戻せるのか?! ハン・ソッキュが、ソフト・キャラ路線に回帰。ファンが待ち望んでいた、彼本来の魅力満載の映画となった。
Guest:ユ・ソンドン(東京)

 本年は例年より上映作品数、会場共に大幅に増えました。シネマコリア初配給作品『まぶしい一日』は、ちょっと面白い映画で、韓国に渡った日本の若手映画人(俳優、スタッフなど)と韓国の若手監督が、「日韓関係」をテーマに撮った3本のオムニバス青春映画です。いわゆるインディペンデント系の映画ですが、日常の中に存在する日韓関係を、軽やかに描いた小品・佳作です。商業映画の合作や大作ではなかなか描き切れない、等身大の日韓関係とでもいうべきものが素直に描かれておりまして、これは是非多くの方にご覧いただきたいと思い、シネマコリアで配給することにいたしました。

(シネマコリア代表/西村嘉夫)


更新日:2006.7.7
●back numbers

Cinema Korea 2006 上映日程
●名古屋会場
アートスペースA
愛知芸術文化センター12階)
8/5
・拍手する時に去れ
・もし、あなたなら2
 /五つの視線
・ミスター主婦クイズ王
8/6
・まぶしい一日+けつわり
・愛してる、マルスンさん
・ケンカの技術
●ゲスト:ソ・ヨンファ/森卓也(映画評論家)
●チケット:
整理番号付日時指定チケット
1400円均一(前売・当日)
*前売(7/1より)
シネマスコーレ、チケットぴあ、ファミリーマート、サンクスにて発売中。
●お問い合わせ:シネマスコーレ
TEL/052-452-6036
●大坂会場
第七藝術劇場
8/12
・拍手する時に去れ
・もし、あなたなら2
 /五つの視線
・ミスター主婦クイズ王
8/13
・ケンカの技術
・愛してる、マルスンさん
・まぶしい一日+けつわり
●チケット:
整理番号付日時指定チケット
1400円均一(前売・当日)
*前売(7/8より)
チケットぴあ、ファミリーマート、サンクスにて発売。
●お問い合わせ:第七藝術劇場
TEL/06-6302-2073
●東京会場1
イイノホール(霞ヶ関)
8/19
・拍手する時に去れ
・もし、あなたなら2
 /五つの視線
・愛してる、マルスンさん
8/20
・まぶしい一日
・ケンカの技術
・ミスター主婦クイズ王
●ゲスト:キム・ソンホ/ソ・ヨンファ/塩田貞治/安藤大佑/シン・ハンソル/パク・フンシク/チャン・ジン(交渉中)/イ・ジンスク/ユ・ソンドン
●チケット:
全席指定 各作品1500円均一(前売・当日)
*前売(7/15-8/17
チケットぴあ、ファミリーマート、サンクスにて発売。
*チケットぴあプレリザーブ
 7/7 18:00-7/14 9:00
 全席指定6回券も発売。
●お問い合わせ:
シネマコリア東京事務局
TEL/03-3437-3025
●東京会場2
アップリンク・ファクトリー
8/21
・けつわり(18:30/S/20:15)
S:ニューシネマワークショップ
*日韓映画人による特別セミナー
●ゲスト:安藤大佑/キム・ソンホ
●チケット:
1000円(前売・当日)
*前売(7/15-8/17
チケットぴあ、ファミリーマート、サンクスにて発売。
*チケットぴあプレリザーブ
 7/7 18:00-7/14 9:00
●お問い合わせ:
シネマコリア東京事務局
TEL/03-3437-3025
●福岡会場
福岡アジア美術館 あじびホール
8/26
・まぶしい一日
 (10:30/14:00/18:30)
・けつわり(13:00/17:30)
●ゲスト:安藤大佑
●チケット:
前売/1400円・当日/1600円
(通し券・2作品観賞可)
*前売(7/1より)
チケットぴあ、ファミリーマート、サンクスにて発売中。
●お問い合わせ:
090-7443-0307(安藤)
090-9582-2938(関)
●札幌会場
スガイシネプレックス札幌劇場
8/27
・ミスター主婦クイズ王
・愛してる、マルスンさん
●チケット:
前売/1300円・当日/1500円
*前売(7/15より)
4プラプレイガイド(四丁目プラザ1F)、大丸藤井プレイガイド(大丸藤井1F)、スガイシネプレックス札幌劇場にて発売。
●お問い合わせ:
080-1879-3252(月原)
●北海道愛別会場
蔵ら(KURARA)多目的ホール
9/17-18
・まぶしい一日
●チケット:
前売/1000円・当日/1200円
*高校生以下
前売/800円・当日/1000円
*前売(7/31より)
ローソンチケットにて発売。
●お問い合わせ:
080-3237-7454(小森)
関連サイト
シネマコリア公式サイト
『まぶしい一日』公式サイト
シネマコリア2005
シネマコリア2004