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トラブル・ガール

トラブル・ガール(小曉/Trouble Girl)

監督:ジン・ジアフア
脚本:ジン・ジアフア
撮影:チェン・チーウェン
編集:ジン・ジアフア、ライ・シューション
美術:マックス・ホアン
音楽:トマ・フォゲンヌ(福多瑪)
出演:オードリー・リン、アイヴィー・チェン、テレンス・ラウ、シー・ミンシュアイ、チュウ・ユーチン、リウ・グァンティン(特別出演)、チェン・ヨウチェ(特別出演)

2023年/台湾
日本公開日:2025年1月17日
カラー/ビスタ/5.1ch/103分
字幕:古川裕
字幕協力:大阪アジアン映画祭
配給:ライツキューブ
©2023 寓言工作室 華文創 華映娛樂 得利影視 影響原創 承達投資

2023年 金馬奨 主演女優賞(オードリー・リン)
2024年 台湾映画評論家協会賞 女優賞(アイヴィー・チェン)
2024年 台北映画賞 主演女優賞(オードリー・リン)
 助演女優賞(アイヴィー・チェン)

poster

story

 水泳が苦手な少女シャオシャオ(オードリー・リン)はプールに浮かんでいた。「僕を信じて」身体を支えてくれているのはポール先生(テレンス・ラウ)だ。隣のレーンで泳いでいた母親(アイヴィー・チェン)は、複雑な思いで二人を見つめている。

 3週間前。雨の日の授業中。5年生の教室では香港から来た担任のポール先生が、英語で授業をしていた。教室ではゲームの音が響いている。シャオシャオがスマホゲームに熱中しているのだ。シャオシャオは多動症で落ち着きがなく、クラスでも浮いていた。学校は彼女を受け入れ、ポール先生はシャオシャオを辛抱強く見守っている。

 大型台風接近で、午後の授業が休校になった。黄色いレインコートを着たシャオシャオは、学校で飼っているフクロウ、キティの檻を眺めた後、ポール先生のあとをつける。母の車が停まっていたのだ。母と親しげに話すポール先生は、母の車に乗り込んだ。

 シャオシャオはタクシーに乗り、運転手(リウ・グァンティン)に頼んで後をつけてもらう。車はポール先生のアパートの前で停まり、二人は部屋へ入っていった。二人は密かに付き合っているが、シャオシャオには隠している。ママは間違ったことをしているのではないか? シャオシャオは先生の部屋のベルを鳴らし、母と車で家に帰った。

 シャオシャオの父親(シー・ミンシュアイ)は海外赴任で不在がち。裕福だが、夫婦仲は冷めきっており、ママはパパの悪口を言う。パパが好きなシャオシャオは不安になり絶叫する。「もう私の手に負えない!」母親の心もシャオシャオと同じように不安定だ。彼女にはシャオシャオを大切にしてくれるポールが必要だった。

 シャオシャオとママとポール先生。3人でキャンプ場にでかけたり、家で一緒に過ごしたり。微妙なバランスの中で過ごす3人だったが…。

アジコのおすすめポイント:

ADHD(多動症)の少女を主人公に、その母親と担任教師の若い青年との複雑な関係を描いた人間ドラマです。ADHDといえば、『花蓮の夏』でジョセフ・チェンが演じていた役がそうでした。自分の世界に閉じこもりがちで、クラスでは浮いている孤独な少女。外交的で美しい母親も孤独を抱えており、恋人ができるのもしばしば(らしい)。それが今回は娘を大切にしてくれている担任教師だったことから、関係がちょっと複雑になっていきます。反発し、ぶつかりあってばかりいる母娘が、最後には似たもの同士として共鳴し、互いを理解し合う姿は感動的です。監督は広告畑で腕を磨きながら脚本も書き続けていたジン・ジアファ。本作が長編デビュー作です。母娘を演じたオードリー・リンとアイヴィー・チェンの渾身の演技は注目され、数々の女優賞を受賞。特に『アメリカから来た少女』でデビューしたオードリー・リンは、出演2作目となる本作により若干12歳で金馬奨主演女優賞を最年少受賞したことでも話題となりました。若い教師役は香港の人気俳優テレンス・ラウ(『夢の向こうに』『アニタ』)。本作と同時公開になった話題の香港映画『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦』ではワイルドな魅力で一躍注目されていますが、本作では知的で心優しい先生役を好演。テレンスの新たな魅力を味わうことができます。その他、リウ・グァンティンやチェン・ヨウチェ監督など、カメオ出演も豪華です。

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