story
20世紀の香港には無法地帯の戦場があった。そこは、流れ者や不法移民が集まる九龍城砦。黒社会による権力争いの抗争が絶えず、レイ・ジャンドン(雷震東)が、片腕の殺し屋チャン・ジム(陳占/アーロン・クォック)と君臨し、リーダーの証である「龍頭」を持っていた。しかし、反対派のロン・ギュンフォン(龍捲風/ルイス・クー)がチャン・ジムを倒し、彼らを一掃してからは秩序が保たれている。
80年代。最後の抗争から30年後の香港。ベトナムで孤児として成長したチャン・ロッグワン(陳洛軍/レイモンド・ラム)が、香港へ密航してくる。だが身分証がないため仕事に就けず、違法な賭け試合で賞金を稼ごうとしていた。勝ち抜いたチャンに主催者で黒社会の大ボス(サモ・ハン)が目を付け、仲間にいれようとするがチャンは拒否。賞金の代わりに身分証をやると約束する。
2週間後、チャンが大ボスの元にやって来ると、渡された身分証はひどいものだった。騙されたのだ。チャンは手下たちが作業する袋を金と思って奪い、逃走する。だがそれは、麻薬の入った袋だった。手下のウォンガウ(王九/フィリップ・ン)たちに追い回され、チャンが逃げ込んだのは九龍城砦だった。
九龍城砦では独自の治安が保たれていた。警察官も巡回している。チャンは袋の中を見て失望し、売り捌こうとするがシマ荒らしと間違えられ、逃げ回る。バイクに乗るソンヤッ(信一/テレンス・ラウ)と出会ったのもその時だ。親切な人から、何かあったら「ロンを頼れ」と言われ、チャンが理髪店へ行くとロン・ギュンフォンがいた。
話を聞いたロンは傷だらけのチャンを助け、医者のセイジャイ(四仔/ジャーマン・チョン)が手当てをした。チャンはレストランで働きはじめ、ロンは部屋も与えてくれた。初めて味わった叉焼飯。平穏な日々が続く。しかし、売春婦(レイ・ジーヘイ)で幼い少女(ウォン・ワンチン)の母親が暴力男(チュウ・パクホン)に殺されてしまう。チャンの怒りに火が点いた。
駄菓子屋のマスクをつけた4人が揃った。チャンに合流したのは、ソンヤッ、セイジャイ、それにフー(虎兄貴/ケニー・ウォン)の一番弟子、サップ・イー(十二少/トニー・ウー)だ。同世代の若い4人は暴力男を傷めつける。それ以来、4人は堅い友情で結ばれる。チャンはここで皆と暮らしたいと願うが、香港返還後、九龍城砦は取り壊しになるという。
その頃、九龍城砦の地主チウ(秋兄貴/リッチー・レン)のもとに、チャン・ジムの息子の消息がわかったと知らせが入る。30年前、チウは目の前でチャン・ジムに妻子を殺され、深い恨みを抱いていた…。
|