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流星

監督:ジェイコブ・C・L・チャン
脚本:マシュー・タン
撮影:ジミー・ウォン
編集:エリック・コン
音楽:アレックス・サン
主題歌:「小明星」歌・レスリー・チャン
出演:レスリー・チャン、エリクソン・イップ、キキ、キャリーン・ン、ティ・ロン、ラム・カートン

1999年/香港
日本公開日:2000年12月23日
配信開始日:2023年4月1日
カラー/ビスタ/111分
字幕:
配給:ハーク
©Hark
2000年 香港電影金像奨
 助演男優賞(ティ・ロン)/助演女優賞(キャリーン・ン)
2021年 香港電影通信(日本)
 最優秀俳優賞(レスリー・チャン)


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流星(流星語/The Kid)

story

 世界的な金融恐慌で多額の損失を出し、証券アナリストのウェイ(レスリー・チャン)は信用と財産、そして恋人も失い失職する。自家用クルーザーに戻った彼は、やけ酒をあおって眠り込んだ。そして、赤ん坊の泣き声で目を覚ます。ソファの上には赤ん坊とベビー用品の包みが置いてあった。

 抱きかかえると「裕福な人に拾われて…」と母親からの手紙が入っていた。捨て子だ。困ったウェイは、外に出て桟橋の上に赤ん坊と包みを置き「金持ちに拾われろよ」と立ち去る。クルーザーで一眠りして起きると、外では激しく雨が降っていた。ウェイは慌てて赤ん坊を助けに戻り、病院へ駆け込んだ。

 4年後、ウェイは4歳になったミン(エリクソン・イップ)と養老院の屋上で暮らしていた。バイトや便利屋でしのぐ日々。周りの人たちと助け合う生活は、貧しくとも幸せだ。経営者で家主のラン(キャリーン・ン)は建物を改装して、新たに託児所を作ろうとしていた。見廻り担当のロン巡査(ティ・ロン)は、そんなランを密かに慕い、なにかと気遣っていた。

 その頃、上海から香港に戻ったリャン夫人(キキ)が基金を作り、助成先を公募していた。しかし彼女にはトラウマがあり、子どもに近寄ることができない。かつて赤ん坊を捨てた記憶が彼女を苦しめていた。4年前、ミンを捨てたのはリャンだったのだ。ところがそれとは知らず、偶然にヨットハーバーで怪我をしたミンを手当てしたことから、リャンはミンと親しくなる。ウェイとも知り合い、誘われて海辺で遊ぶ3人。夜には一緒に流星を眺めた。

 ウェイに嬉しい知らせが2つ届く。ランさんの託児所の企画が認められ、助成金が貰えることになったのだ。そして、もう1通。それはグリニッジ天文台からの仕事の紹介だった。だが、単身赴任が条件だ。一方で、為替ビジネスで成功した元部下のサム(ラム・カートン)からも誘われていた。

 ミンとは離れたくないし、昔の多忙なビジネス現場に戻るのも抵抗がある。悩むウェイに、さらなる難題がふりかかる…。

アジコのおすすめポイント:

エリートから転落した男が偶然、赤ちゃんを育てることになり、親子の絆と将来で悩みながらも、一歩踏み出していく物語です。主演のレスリー・チャン没後20周年特別上映で、『欲望の翼』デジタルリマスター版と共にめでたく上映されました。監督は『籠民』(92年)『墨攻』(06年)のジェイコブ・チャン。1998年当時、香港がアジア金融危機の影響を受け、映画製作が困難な時期に、香港の映画監督や役者たちが無償で製作をサポートした「創意連盟」プロジェクトの第一弾。レスリーもノーギャラで出演し、製作にも関わっています。

ミンの母親を演じているのは、スーパーモデルでサイモン・ヤムの奥様でもあるキキ(発音はチーチー)。その他、キャリーン・ンやティ・ロン、アマンダ・リー、ジョン・タン、ラム・カートンらが若かりし頃の姿で登場。カメオ出演も豪華で、精神医が作詞家のヨランド・チャン、郵便屋さんが映画監督のジョー・チョン、トラック運転手がアクション監督のトン・ワイ。さらに、ダンテ・ラム監督(お巡りさん)も出演しています。

今回の上映にあたり、監督からメッセージが届いています。

「1998年当時、香港がアジア金融危機の影響を受けて困難な状況にあったので、人々の悲しみに満ちた表情を見た時に、人々を勇気づけ、前向きに生きていけるような感動的な映画を作ろうというアイディアが生まれました。そのベースとして選ばれたのが、チャールズ・チャップリンの1921年の作品『キッド』でした。「人生において困難に遭遇しても、楽観的になって幸せや愛する人との一瞬一瞬を大切にする」というのがテーマです。2023年4月1日という日に、レスリー・チャンを懐かしむ人たちは、映画館でもう一度レスリーの素晴らしい演技を楽しむことができます。『流星』はレスリー・チャンのものであり、今回の上映で『流星』はよみがえります。是非、今回スクリーンでレスリー・チャンという偉大なスターを懐かしんでもらいたいと思います」

レスリーは撮影終了までボサボサ髪に無精ひげで撮影に取り組み、待ち時間には、当時4歳の子役俳優エリクソン・イップを抱きかかえ、怪獣ゲームなどでラウンジを笑いの渦に巻き込んでいたそうです。エリクソン君は、この後にレスリーが初監督をした禁煙キャンペーン短編『煙飛煙滅』(2000) にも出演。レスリーとアニタ・ムイが扮する夫婦の子ども役を演じていました。(その後、俳優の道には進まなかったようですが、成長したエリクソン君がレスリーの「追」を弾き語りで歌っている映像が動画サイトにアップされています)

上映は終わりましたが、4月1日から各プラットホームにて配信が始まっております。期間は数年間とのことなので、今回ご覧になれなかった方、もう一度観たいという方はぜひこちらをご利用ください。
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