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ASICRO FOCUS file no.194

『チェイス!』アーミル・カーン&監督 来日記者会見

p1 東京国際映画祭で初来日したアーミル・カーン(左)とヴィジャイ・クリシュナ・アーチャールヤ監督(右)

2014.10.29 六本木アカデミーヒルズ49 スカイスタジオ

 昨年に引き続き、ますますインド映画の一般公開本数が増えた2014年。今年は公開作品だけでも本作を含めて11本にのぼり、特集上映や企画上映も含めるとかなり多数のインド映画が日本で上映されました。これまでにないインド映画として先陣を切ったのは、ラジニカーントの『ロボット』でしたが、今のインド映画ブームの火付け役となったのは間違いなく、昨年の『きっと、うまくいく』のロングランヒットでした。

 その立役者となったのが、主役のランチョーを演じたアーミル・カーンです。長年のインド映画ファンにとっては、シャールク・カーン、サルマン・カーンと並ぶ3大カーンの一人で、インドを代表する大スターであることで有名ですが、日本の一般映画ファンにとっては、今回が初めてのお目見え。5月のシュリデヴィに続いて国民的な大スターが2人も来日し、2014年はインド映画ファンにとって特別な年となりました。

 今回は最新主演作『チェイス!』(12月5日より絶賛公開中!)が、東京国際映画祭の特別招待作品に選ばれてのゲスト来日。一般公開前のプロモーションも兼ねて、ヴィジャイ・クリシュナ・アーチャールヤ監督と共に来日し、日本のマスコミや観客の皆さんにご挨拶をしました。まずは、記者会見の模様からご紹介します。

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 アーミル「ずっと日本に来たいと思っていたので、とても興奮していて、うれしいです。もちろん、東京国際映画祭に参加したいということもありますが、実は妻が一緒に来ているので、この後で1週間ほど東京旅行を楽しむことになり、わくわくしています」

 監督「(日本語で)オハヨウゴザイマス!(拍手)日本語はこれだけ(笑)。こうして来日できて興奮しているし、うれしいです。私は映画を観て、映画作りを学びました。黒澤監督の大ファンで、三池崇監督の映画も観ています。三池監督はワイルドなところが好きです。日本へはずっと来たかったので、こうして映画祭で初来日することができて幸せです。皆さんには、映画を楽しんでいただければと思います」

 まずは、司会の伊藤さとりさんによる代表質問が続きます。

 司会「『きっと、うまくいく』が日本でも大ヒットしたアーミルさんですが、日本の印象はいかがですか? 日本ではどんなことをしたいですか?」

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 アーミル『きっと、うまくいく』が日本でも大ヒットしたと聞いて、とてもうれしく思います。実は何回かのフライトで、日本の方が僕に気づいて声をかけてくださることがあり、皆さんに気に入っていただけたのだなあと実感しました。

 やりたいことについては、妻がとても計画的な人で(会場笑)、この2週間は日本についていろいろとリサーチしていました。やるべきリストを用意しているので、楽しみにしています。3歳の息子も一緒に来ているので、日本を経験させるのが楽しみですが、妻は京都にも行きたいと希望していました。でも、1週間しかないから、今回は東京を満喫しよう。次回、もっと長い休暇で日本へ来たら、京都や他の各地を巡ってみよう。だから、今回は東京滞在だけだよ、と説得したんです」

 司会「監督は日本でやりたいこと、具体的に計画していることはありますか?」

 監督「私は週末までしかいないのですが、できればサムライになってみたいですね。(会場笑)食事が好きなので、おいしいレストランを探したり、映画祭でもぜひ映画を何本か観たいです。私も家族とまた、ぜひ長期休暇で日本を訪れて、日本を楽しみたいと思います」

 司会「本作はインドだけでなく、アメリカ、イギリス、中国など、世界でもインド映画の歴代興行記録を塗り替えるヒットを記録していますが、その理由は何だと思いますか?」

 監督「いい作品だからでしょう。(会場笑)インド人はとても感情が豊かです。この映画はアクションも満載ですが、ハードな中に情感がある。それが理由でしょう。皆が共感できる。そういう感情は言語を越えて伝わるので、各国で大ヒットしたのでしょう」

 アーミル「実は映画がうまくいって驚いています。成功してよかったなあと。公開される前までは、ほんとうにナーバスなんです。自分で映画を作った後は、失敗や悪い点が目について、撮影できたらもう一度やり直したいと思うことが多いので、皆さんに喜んでいただけると救われます。

 今回はほんとうにインド以外の世界中の皆さんに、映画を楽しんでいただきました。その理由は、今監督もおっしゃいましたが、スペクタクル大作で製作の精度が非常に高いということもありますが、感情に強く訴える要素があるからでしょう。インド人の心の琴線に触れる何か、それが世界中の皆さんにも共通して響いたのではないかと思います」 (次頁へ)


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更新日:2014.12.13
●back numbers
●記者会見の表記

司会・質問者
アーミル(アーミル・カーン)
監督(ヴィジャイ・クリシュナ・アーチャールヤ)
actor profile
アーミル・カーン
Aamir Khan


1965年3月14日。ムンバイ生まれ。父は映画監督・プロデューサー、叔父も映画監督の映画一家に育ち、子役としてデビューする。88年の初主演作『破滅から破綻へ』のヒットで注目され、01年に製作・出演した『ラガーン』が年間最大ヒットを記録。アカデミー賞外国語映画賞にノミネートされた。

07年には『地上の星』で監督としてもデビュー。09年には日本でもヒットした『きっと、うまくいく』が歴代インド映画最大のヒットとなった。近年は出演作を絞りながらも、シャールク・カーン、サルマン・カーンと並んで絶大な人気を誇っている。

また社会・福祉問題にも関心が高く、ヒラリー・クリントンやビル・ゲイツと対談するなど、その動向が世界的にも注目されている。
filmography
*長編映画
・Yaadon Ki Baaraat(73)
・Madhosh(74)
・Holi(84)
・Qayamat Se Qayamat Tak
 (88)
・Raakh(89)
・Love Love Love(89)

・Awwal Number(90)
・Tum Mere Ho(90)
・Dil(90)
・Deewana Mujh Sa Nahin(90)
・Jawani Zindabad(90)
・Afsana Pyaar Ka(91)
・Dil Hai Ke Manta Nahin(91)
・Isi Ka Naam Zindagi(92)
・Daulat Ki Jung(92)
・勝者アレキサンダー(92)
・Pehla Nasha(93)
・Damini-Lightining(93)
・Parampara(93)
・Hum Hain Rahi Pyar Ke(93)
・Andaz Apna Apna(94)
・Baazi(95)
・Aatank Hi Aatank(95)
・Rangeela(95)
・Akele Hum Akele Tum(95)
・Raja Hindustani(96)
・Ishq(97)
・Ghulam(98)
・1947・大地(98)
・Sarfarosh(99)
・Mann(99)

・Mela(2000)
・ラガーン(01)
・Dil Chahta Hai(01)
・Mangal Pandey:
  The Rising(05)
・Rang De Basanti(06)
・Fanaa(06)
・Taare Zameen Par(07)
・Ghajini(08)
・チャンスをつかめ!(09)
きっと、うまくいく(09)
・Dhobi Ghat(11)
・Delhi Belly(11)
・Talaash:The Answer
 Lies Within(12)
・Bombay Talkies(13)
チェイス!(13)
・PK(14)

*製作のみ
・Jaane Tu... Ya Jaane Na(08)
・Peepli [Live](10)

*テレビ番組
・Satyamev Jayate(12-14)
・C.I.D.(12)