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ASICRO FOCUS file no.114

『エグザイル/絆』来日記者会見

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二人揃っての来日は初めて。
2008.11.2
ホテル西洋銀座(銀座)

 『エグザイル/絆』のPRで来日した主演俳優のアンソニー・ウォンとフランシス・ンが、ファンイベントの開催前に、同じ会場で記者会見を開きました。ベテラン俳優の二人ですが、日本での記者会見は久しぶりとあって、席に着いたばかりの頃はやや緊張気味。ご挨拶は、日本語がわりと上手なアンソニーから始まります。

 アンソニー「(笑顔で)コンニチハ!ゲンキ、デスカ?…ヨロシク、オネガイシマス。このくらいしか言えないな(笑)」(会場笑)

 フランシス「ハイ、コンバンハ!…一言しか言えません」

 司会「もう一言、お話してくださいとリクエストがあります」

 アンソニー「おしゃべりだろ? もっと話せよ」
 フランシス「エー…早く仕事を終らせて、日本料理を食べたいです」

 ということで(笑)早速、質疑応答へ。

Q:『ザ・ミッション』以来の久しぶりの共演者ですが、思い出に残ったエピソードを教えてください。

 アンソニー「2つほどお話しましょう。楽しいエピソード、その1。フランシスが車を岩にぶつけてガソリンが漏れたので、エンジンをかけたまま皆で逃げて楽しかったです。もう1つは、真冬に屋上で撮影してた時に、フランシスが羊肉でシャブシャブと中華ソーセージご飯を作ってくれて、とても暖かくておいしかったので、皆、肥ってしまいました」(会場笑)

 フランシス「ラム・シューが真っ赤なパンツをはいているのがわかったこと。危険な銃撃戦を撮影する時は、これをはいていると安全にしのげるから、必ずはきなさいと占い師に言われたそうなんです。でも、彼は椅子から飛び下りるシーンで骨折してしまいました。その日は赤いパンツをはいていなかったんです。僕にとって面白かったのはロイ・チョン。撮影中は皆で彼に『カンフーハッスル』の大屋さんの奥さん、とあだ名をつけてました。当時の彼は今の僕よりも髪が長くて、いつもカーラーをつけたままなんです。(会場笑)しかも、あの映画の奥さんと同じように、いつも食わえタバコで、すごく肥ってた時期があったので…あの姿は笑えた(笑)」

Q:では、とても辛かったエピソードをお願いします。

 フランシス「9ヶ月間というのは、とても長かったですね。その間、僕たち4人は他の仕事が一切できなかったので、僕たちも辛かったけど、多分香港映画界も辛かったでしょう。この4人というと、黒社会映画を支えている人間が全員揃っているので(会場爆笑)その間は黒社会映画が作れなくなってしまい、香港市民たちにとっても大変辛い時期でした」

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これは砂丘地帯に到着して、これからどうしようという時の光景
(c)2006 Media Asia Films (BVI) Ltd.

 アンソニー「脚本どころかストーリーもなくて、どういう役か一切説明がなかったことですね。毎日悩んでいるのに、他の3人からも『今日はここに立って、これから何をやるんだ?』と毎日聞かれるんで、適当になだめてました。例えば、このポスターで4人が立っている場面ですが、2階くらいの高さのある砂丘から飛び下りる直前に撮ったシーンです。皆、どうやって飛び下りればいいかと考えていたので、イメージ的にはマルボロ・クラシック・ライトのCMみたいにやってくれと言いまして、皆そうしました。他には、グッチのモデルみたいに立って歩けとか、こちらから適当に指示を出してました」(会場笑)

Q:ジョニー・トー監督はどんな監督ですか?

 フランシス「僕たち、彼を見てなかったからなあ。(アンソニーが「ヒヒヒヒ」と笑う)監督とは9ヶ月間の間、交流がなかったですね。撮影現場の雰囲気ですが、監督はあっち側でバーベキューをしていて、僕たちはこっち側でシャブシャブをやってて、撮影する時はその真ん中のスペースを使うんです。撮影が終るとまた元に戻って、監督はバーベキュー、僕たちはシャブシャブと…大体こんな感じで9ヶ月を過ごしてました」(会場笑)

 アンソニー「交流はなかったけど、僕たちのシャブシャブ部屋は外からの声が聞こえるんです。監督が今炒飯を食べてるなとか、何か言ってるなとか…外が騒がしくなると大体、監督が汚い言葉で怒鳴ってるので、ああ監督が到着したな、仕事だな…と、外の様子を伺ってわかるという感じでした」

Q:マカオでは、撮影以外は何をしていましたか? それぞれ、役割みたいなのはありましたか?

 フランシス「暇な時の役割分担ですが、アンソニーにはとてもおいしい精進料理の店や珍しい広東料理の店に連れて行ってもらい、ご馳走になったことがあります。ロイはカラオケ係ですね。店を予約したり予定を組んだり。(会場笑)ラム・シューは、明日仕事があるかどうかの情報をもらう係。(会場爆笑)明日は仕事がなさそうだというと、よし、また予定を組もうと、そんな風にやりくりしてました。僕はカジノでぶらぶら」

Q:トー監督は何回もNGを出すことで有名ですが、今回は最高何回でしたか?

 フランシス「今回、一番困ったのは多分編集者でしょう。というのも、アクションシーンを含めて、ほとんど1テイクで終ってしまうんです。アクション以外でNGが出たところというと(アンソニーを見て)…誰かさんのせいですね」(会場笑)

 アンソニー「何を言いたいかわかってるよ。僕は先輩だから、わざとNGを出して、修行のつもりで何回もさせたんです」(会場笑)
 フランシス「年齢だけは先輩というわけだ。ふ〜ん」
 アンソニー「そっちの方が若手だから。ガンバッテ」
 フランシス「ハイ」(会場笑)

Q:ロイさんがカラオケ係だそうですが、4人の十八番は?

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普段はこんな感じで、和気あいあいの笑顔で話します。
 フランシス「ロイは大変でしたね。毎晩違うカラオケ店を回らなくちゃならないから。なぜかというと、アンソニーがもの凄く古い歌ばかり選ぶので。(会場笑)通信式じゃなくて、ディスクを拾うマシンだったので、あまりに古いディスクだと見つからなくてひっかかるんですよ。それじゃ商売にならないので、翌日はまた別の店に行かなくちゃならない。アンソニー、頼むからもっと新しい歌を歌ってくれよ」

 アンソニー「毎晩、すごく酔っぱらって店を出たんです。店に入ってまず1曲歌うと、残りは全部他の連中に歌われてしまって、僕は飲むだけ。だから、いつも酔っぱらって店を出るしかない」
 フランシス「わざとでしょ? 酔っぱらってると計算しなくていいから、勘定を払いたくないんだ(笑)」

 アンソニー「実はフランシスが僕よりずっと若いと言うんで、わざと古い歌を選んで歌ったんだ。僕が歌った歌を彼が知らなければ、若いということだし。でも、僕がどんなに古い歌を選んでも、彼は全部知ってるんだよ」(会場笑)

 フランシス「皆さんがお持ちのパンフレットに生年月日がありますが、この人は僕より1つ年下なんですよ」
 アンソニー「ほんとうにそうなってるの? ちゃんと読んでる?」
 フランシス「1962年って載ってるよ」
 アンソニー「間違いですね。僕は1964年生まれだから」(会場爆笑)

 ここで司会者がパンフレットの生年月日を確認したのですが、「1962年は間違いです」とだけ答えていました(笑)。実際はアンソニーもフランシスも1961年生まれです。 (続く)


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更新日:2008.12.7
●back numbers

記者会見の表記
司会・質問者
アンソニー
(アンソニー・ウォン)
フランシス(フランシス・ン)
『エグザイル/絆』(2006)
(原題『放・逐』)

アンソニー

フランシス

(c)2006 Media Asia Films (BVI) Ltd.

監督:ジョニー・トー
主演:アンソニー・ウォン
   フランシス・ン
   サイモン・ヤム
   ニック・チョン
   ロイ・チョン
   ラム・シュー
   リッチー・レン
   ジョシー・ホー
公式サイト

*12月6日より公開中。
シネマスクエアとうきゅう
シアターイメージフォーラム
他、全国順次公開
特集上映:
アンソニー・ウォン、遊侠一匹

『エグザイル/絆』公開を記念してアンソニー・ウォンの出演作を一挙上映!
●上映作品
・インファナル・アフェア
・インファナル・アフェア2
・インファナル・アフェア3
・イザベラ
・ツインズ・エフェクト
・メダリオン
・マジック・キッチン
・愛と死の間で
・姉御
・ドラゴン・プロジェクト
・頭文字<イニシャル>D
・雪山飛狐 第1話、第2話
・ハムナプトラ3
 /呪われた皇帝の秘宝
●期間:12/6-19
●会場:渋谷シネマヴェーラ
*詳細は公式サイトへ。