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ASICRO FOCUS file no.8

『LOVERS』来日記者会見 in Tokyo

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左から梅林茂(音楽)アンディ・ラウ(劉徳華)、チャン・ツィイー(章子怡)、金城武、チャン・イーモウ(張藝謀/監督)、トニー・チン・シウトン(程小東/アクション監督)

2004.7.27(13:00〜14:00)
グランドハイアット東京(東京・六本木ヒルズ)にて

8月28日から全国公開予定の話題作『LOVERS』。日本での公開を前に、監督や主演俳優たちが東京に集合し、記者会見を行ないました。物語は唐の時代を背景にした盲目の踊り子と二人の官吏のラブ・ストーリー…といっても、一筋縄ではいかない策略・陰謀が張り巡らされており、美しい衣装や華麗なアクションワークを堪能しながら、観客も愛の真実を探っていくことになります。この複雑な愛を表現するための演技について、アクションについて、スタッフ&キャストが答えます。(*作品に関しては作品紹介ページへ)

*物語の内容や展開に触れている部分があります。気になる方は映画をご覧になってからお読み下さい。


●演技について

質問「金城武さんとチャン・ツィイーさんにお聞きします。物語でのお二人の関係は、惹かれあったり、突き放したりと複雑です。演じる上で注意された点はありますか?」

金城「基本的に僕は監督の意見をいつも聞いて、アドバイスしてもらったり、台本のつながり…前と後ろはあまり気にしないでやりました。なぜかというと、3日の内に発生するこの恋愛の深さは、僕は文字であまり実感できなかったので、なるべく監督に質問したりして。『僕わかんないんですよ。何で愛するんですか? いつ好きになるんですか? いつが仕事なのか?』て聞いたら、監督は『愛に理由はない』と。(笑)『なるべく、いつ好きになったかっていう時間はあまり決めたくないから』と。」 金城武

「僕はワンシーン、ワンシーンを1つの作品としてその場で監督に聞いたり、もしくは監督にお願いして一度演技して『いいですよね、こんなんで?』て確認してやったんです。」

チャン「小妹は非常に複雑な人で、私には特にこういう深い体験はないのですが、大事なのは自分でよく考えて演じることです。感情というのは説明できないものだと思っています。自分がいつも考えているのはこの説明できない感情ですね。どういう風に表現するとか、そういう説明できないものです。それと役者さんたちの間で、うまく合わせられるように積み重ねていくのが大切です。今回、非常にうれかったのは、二人の大変素晴らしい俳優さんたちとお仕事ができたことです。」

●音楽について

質問「梅林さんはこれまでアジアのいろいろな映画音楽を作っておられます。今回は唐という古い中国が舞台ですが、音楽の印象がオペラのように感じました。映画音楽を作る上で工夫された点はありますか?」

梅林茂 梅林「結果的には中国の楽器や日本の尺八、いろんな民族楽器を使いました。基本的にいろいろな時代背景や違いはありますけれども、やっぱりその映画のオリジナルを作るという面では、楽器選定はまず考えずに、どういうことができるのかという発想から始めました。『叩くものがないなら机でも叩いてろ』と監督に具体的に言われまして、非常にアートの部分では自由に、あまり中国というものにはにこだわらずにやらせてもらえました。」

●衣装について

質問「ワダさんの衣装が非常に印象的だったのですが、キャストの皆さんはどう思われますか? チャン・ツィイーさんは、どのシーンのどの衣装が一番好きですか?」

チャン「私が一番綺麗だと思うのは、映画の最初の場面で、牡丹坊で踊る時の衣装です。ワダさんはプリントとかいろいろいっぱい作って、非常に気遣って仕事をする方ですよね。森で走るシーンの衣装は、とても素朴なのに魅力的で味わい深いです。」

(ここで、会場のワダ・エミさんに拍手喝采)


続きを読む ▼1・23 ▼作品紹介
更新日:2004.8.7
●back numbers

●記者会見の表記

質問
(質問者)
金城(金城武)
チャン(チャン・ツィイー)
アンディ(アンディ・ラウ)
梅林(梅林茂)
監督(チャン・イーモウ)
トニー(トニー・チン・シウトン)

*カメラ陣に混じって取材したので、冒頭のご挨拶はほとんど聞き取れませんでした。公式サイトの方にも、この記者会見の模様とプレミア試写会での舞台挨拶の模様がレポートされておりますので、そちらも合わせてご覧ください。

*尚、アジクロでは、通訳を介さず日本語ですらすらと答えた金城武さんの回答は、なるべくオリジナルに近づけました。
●チャン・イーモウ(張藝謀)

1950年、中国・西安生まれ。 初監督作『紅いコーリャン』(87)でベルリン国際映画祭の金熊賞を受賞して以来、実力と影響力を兼ね備えた名匠として世界的に評価されている。

また俳優として、『古井戸』(86)『テラコッタ・ウォリア/秦俑』(89)に出演。前者では東京国際映画祭の最優秀主演男優賞も受賞している。
●フィルモグラフィ

・紅いコーリャン(87)
・ハイジャック/
 台湾海峡緊急指令(89)
・菊豆(90)
・紅夢(92)
・秋菊の物語(92)
・活きる(94)
・上海ルージュ(95)
・キープ・クール(97)
・初恋のきた道(99)
・あの子を探して(99)
・至福のとき(2000)
・HERO/英雄(03)
●受賞歴

ベルリン映画祭金熊賞
・紅いコーリャン(87)
ヴェネチア映画祭銀獅子賞
・紅夢(92)
ヴェネチア映画祭金獅子賞
・秋菊の物語(92)
・あの子を探して(99)
カンヌ映画祭パルム・ドール
・活きる(94)
ベルリン映画祭銀熊賞
・初恋のきた道(99)
ベルリン映画祭
アルフレード・バウアー賞
・HERO(03)
香港電影金像奨
撮影賞/アクション指導賞/美術賞/衣裳デザイン賞/音楽賞/音響効果賞/視覚効果賞
・HERO(03)
アカデミー賞
外国語映画ノミネート
・紅夢(92)
・HERO(03)