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韓国映画の魅力を探る

殺人の追憶

マスコミも大絶賛する『殺人の追憶』

ロストメモリーズ
純愛中毒

上/『ロスト・メモリーズ』のチャン・ドンゴンは今後も話題作が続く。
下/『純愛中毒』のイ・ビョンホンはドラマ『オール・イン』でも活躍中。

 一昔前の韓国映画というと、因習に縛られた女性が苦労しながらたくましく生きていく、というような重い文芸作品が多かったように思います。が、それが変わって来たのはハン・ソッキュの主演作品が紹介され始めた頃からでしょう。『八月のクリスマス』のような切なくも心暖まる作品から、エンターテイメント大作『シュリ』の大ヒットを経て、次々と登場する新鋭監督たちの作品や個性的なスター俳優たちの登場には目を見張るものがあります。

 もちろん、ワールドカップ・サッカーの共同開催や韓国内での日本文化開放政策が拡大したこともあり、日韓交流や合作が盛んになったこともブームの後押しをしていますが、すでにアジア各地では音楽や映画・ドラマの韓国ブームが一足先に広がっていました。中国語圏で言う「韓流」がやっと日本にも上陸したわけです。

 その魅力はというと、ドラマチックな抒情性、ピュアで美しい映像、迫力あるアクションシーン、軽快で爽やかな展開…と観る人によっていろいろでしょうが、共通しているのは若々しい勢いのように感じます。新人監督でも大作を撮れるチャンスがあるからこそ、多様で刺激的な作品が次々と飛び出して来るのかもしれません。

 韓国映画にはまるなら今。これから続々公開される旬の韓国映画をたっぷりと堪能しましょう。



●ソチョンさんに聞いてみました。
殺人の追憶2  韓国映画といえばシネマコリアの代表ソチョン(西村)さん。ご自身のHP「韓国映画とハングル」は韓国映画ファンのバイブル的データベースにもなっています。そのソチョンさんに韓国映画の魅力を語っていただきました。
 「韓国映画の魅力は、作家性がありながらエンターテイメントしてる作品が多いところでしょうか。『殺人の追憶』はその代表格です。おおざっぱに言うと、ハリウッド映画はエンターテイメント寄り。邦画や、日本に紹介されるその他の国の映画は作家主義寄り。韓国映画は、その中間。
 また、おそらく情緒的にもっとも近いので、日本人にとって共感しやすい。けれど外国なので微妙に異なる部分もある。映画を楽しみつつも、そういったちょっとした違いを発見するのも楽しいです。そして、書籍や講演など様々なメディアを通してなぜ違うのか?を知っていくことは国際理解&異文化理解にも繋がります。」(シネマコリア代表:西村嘉夫)


●ソチョンさんのおすすめ韓国映画・最近の3本
『殺人の追憶』
現在上映中の作品でしたら群を抜いて『殺人の追憶』ですね。品というか格というか、他の作品とはちょっと違うと思います。
『MUSA/武士』
歴史のロマンが感じられる。日本人は日韓関係か日中関係の歴史しか知らない(=教えられてない)ですが、韓中関係にこんなエピソードもあったのかぁとちょっと感動。冒頭のほうで出てくるオアシスで中東系のキャラが出てくるのも多国籍って感じでいいです。昔からアジアって繋がってたんですねぇ…って当たり前ですが。
*DVD情報:『MUSA/武士・特別版』今夏リリース予定(ワーナー・ホーム・ビデオ)
武士
『ほえる犬は噛まない』

韓国的小市民悪のオンパレードなんですが、ドメスティックでなく、普遍的な内容になってるところが好きです。漫画チックなキャラもよし。無駄なシーン&キャラがまったくないのは『殺人の追憶』と同じ。あと、この作品は劇場公開前(=配給に買い付けられる前)にシネマコリアでも上映したので、その意味でも思い入れのある作品ですね。シネマコリアでは監督もゲストで呼んでいたんですが、新作の撮影でキャンセルに。当時は血管切れましたが、そのおかげで(?)できたのが『殺人の追憶』なので、今では納得してます(笑)。 (*写真『ほえる犬は噛まない』(C) 2000 Mirovision Inc.) ほえる犬は噛まない

▼1・
更新日:2004.4.10
●back numbers

■2004年日本公開作品
 (予定も含む)

1月
ラブストーリー
ハッピーエンド
気まぐれな唇

2月
オアシス
悪い男
涙女(カナダ・仏・韓・中)

3月
ホテルビーナス(日・韓)
H[エイチ]
殺人の追憶
ロスト・メモリーズ

4月
チルソクの夏(日・韓)
純愛中毒
THREE/臨死(韓・タイ・香)

5月
花嫁はギャングスター
スキャンダル

6月
4人の食卓
シルミド/SILMIDO
浮気な家族
ブラザーフッド
子猫をお願い
ホワイト・バレンタイン

7月
友引忌
永遠の片思い
箪笥

8月
狐怪談

9月
イエスタデイ/沈黙の刻印

10月〜(未定も含む)
春夏秋冬…そして春
オールド・ボーイ
チューブ
菊花の香り
コースト・ガード
受取人不明
復讐者に憐れみを
アイ・エヌ・ジー
酔画仙

●関連サイト
キム・ギドク公式サイト(日)
http://www.kimki-duk.jp/
ペ・ヨンジュン公式サイト(日)
http://www.yongjoon.jp/
ペ・ヨンジュン公式サイト(韓国)
http://www.byj.co.kr/
韓国映画とハングル
http://www.seochon.net/

●DVD発売情報

吠える犬は噛まない
『ほえる犬は噛まない』
わくわくエディション
(2000年/韓国)
監督:ポン・ジュノ
主演:ペ・ドゥナ、イ・ソンジェ
特典:インタビュー/ミュージッククリップ/予告編/他
価格:4935円(税込)
発売日:5月2日
販売元:タキコーポレーション