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デリカド

デリカド(DELIKADO)

監督:カール・マルクーナス
脚本:ローラ・ニックス、マイケル・コリンズ、
   カール・マルクーナス
撮影:トム・バニガン
編集:マイケル・コリンズ、エリック・ダニエル・メッツガー
共同編集:ポール・アレクサンデル・ユーティライネン
音楽:ナイニータ・デサイ
登場人物:ロバート(ボビー)・チャン、ニエヴェス・ロセント、エフレン(タタ)・バラダレス、ルベン・アルザガ、ロドリゴ・ドゥテルテ

2022年/米・フィリピン・英・豪・香
日本公開日:2025年5月31日
カラー/94分/ドキュメンタリー
配給:ユナイテッドピープル
©Delikado LLC

poster

story

 フィリピンには「世界で最も美しい島」として名高い最後の秘境、パラワン島がある。世界中から観光客やダイバーが訪れるアジア屈指のリゾート地だが、その裏では違法伐採や違法漁業が横行している。

 パラワン島の雄大な生態系を守るために活動しているのが、地元の環境保護団体を束ねるパラワンNGOネットワーク(PNNI)だ。彼らは環境警備隊として森に入り、チェーンソーの音を頼りに進んで行く。

 ライフルで武装している見張りがいないかどうか、慎重に確かめて伐採者に近づき、違法であることを説明してチェーンソーだけ押収していく。貧しくてやっている者が多く、悪いのはやらせている権力者だからだ。

 押収したチェーンソーは700台以上。事務所の前にクリスマスツリーのように積み上げられており、敷地内には違法木材を積んでいた船やトラックも展示。博物館になっている。代表は環境弁護士でもあるボビー・チャン。

 グループの司令塔でベテランのタタは、若い頃に軍の命令で違法伐採に関わったことがある。今はその贖罪として、警備隊を指揮する。パラワン島の観光地エルニドの町長ニエヴェスも、環境保護活動を続けている。

 だが、グループのキャップでベテランのルベンが、エルニド周辺の森を警備中に銃で撃たれ、命を落とす。ニエヴェスも次期町長選挙で、有力者たちからの妨害に遭う…。

アジコのおすすめポイント:

美しい自然を守るために闘うパラワンNGOネットワークの危険な活動をとらえたドキュメンタリーです。タイトルになっている「デリカド」とは「危険」という意味のタガログ語。命がけで活動しているのに、肝心の政府や地元の政治家、有力者は何もしない。なぜなら、彼らが違法伐採や土地開発を進めているから。エルニドの選挙活動では、当時の大統領が対立候補をつぶすために麻薬疑惑をかけたりと、驚くような事実が登場します。監督はマニラを拠点にフランス通信社(AFP)の記者として活動していたカール・マルクーナス。日本での公開に合わせて、映画に登場しているパラワンNGOネットワークの代表、ボビー・チャン弁護士も来日しています。
*映画『デリカド』監督メッセージはこちら。ボビーさんへのインタビューはこちらです。

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▼公式サイト ▼予告編