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フィリピンには「世界で最も美しい島」として名高い最後の秘境、パラワン島がある。世界中から観光客やダイバーが訪れるアジア屈指のリゾート地だが、その裏では違法伐採や違法漁業が横行している。
パラワン島の雄大な生態系を守るために活動しているのが、地元の環境保護団体を束ねるパラワンNGOネットワーク(PNNI)だ。彼らは環境警備隊として森に入り、チェーンソーの音を頼りに進んで行く。
ライフルで武装している見張りがいないかどうか、慎重に確かめて伐採者に近づき、違法であることを説明してチェーンソーだけ押収していく。貧しくてやっている者が多く、悪いのはやらせている権力者だからだ。
押収したチェーンソーは700台以上。事務所の前にクリスマスツリーのように積み上げられており、敷地内には違法木材を積んでいた船やトラックも展示。博物館になっている。代表は環境弁護士でもあるボビー・チャン。
グループの司令塔でベテランのタタは、若い頃に軍の命令で違法伐採に関わったことがある。今はその贖罪として、警備隊を指揮する。パラワン島の観光地エルニドの町長ニエヴェスも、環境保護活動を続けている。
だが、グループのキャップでベテランのルベンが、エルニド周辺の森を警備中に銃で撃たれ、命を落とす。ニエヴェスも次期町長選挙で、有力者たちからの妨害に遭う…。
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