logo

私の親愛なるフーバオ

私の親愛なるフーバオ(アンニョン、おじいちゃん/My Dearest Fu-Bao)

監督:ソン・ヒョンジュン、トーマス・コー
撮影:キム・スルギ、チョ・ヨンス
アニメーション監督:イ・ギョンホ
編集:チェ・ミニョン
音楽:ソ・ウヨン
出演:フーバオ、アイバオ、ローバオ、ルイバオ、フイバオ、カン・チョルウォン、ソン・ヨングァン、オ・スンセ

2024年/韓国
日本公開日:2025年4月18日
カラー/94分
字幕:松岡静泰
配給:ファインフィルムズ
©2024 ACOMMZ and EVERLAND RESORT

poster

story

 本作は、韓国で生まれた人気者のパンダ「フーバオ」が、2024年4月3日に中国へ返還されるまでの3ヶ月間を撮影したドキュメンタリー作品である。

 2016年3月3日、中国からアイバオとローバオが韓国へやって来た。これから暮らすのはエバーランドにあるパンダワールド。自然繁殖で家族を作るのが目標だ。5、6年の努力の末、ついに長女フーバオが誕生する。さらに、双子の妹ルイバオとフイバオも誕生し、一家は5頭になった。

 中心となって面倒をみるのは、ベテラン飼育員のカン・チョルウォンと陽気なソン・ヨングァンだ。ワシントン条約により、海外生まれのパンダは4歳になる前に中国へ返還される。愛情をたっぷりかけて育てているが、別れが来ることは最初から決まっていた。

 フーバオの返還が4月と決まり、3月初旬までを一般観覧期日とした。カン飼育員は心の準備を始める。ソン飼育員は思い出作り。フーバオが小さい頃、母アイバオと使っていたハンモックを作って木の上に括り付けた。竹で作ったお気に入りのチュッパ竹もこしらえた。フーバオは内気な母アイバオと活発な父ローバオの両方に似ていた。

 最終観覧日には、早朝から長い行列が続いた。大勢の報道カメラにも囲まれ皆が別れを惜しんだが、飼育員たちは最後のイベントを成功させるため、パンダが驚かないよう気を配る。嵐のような1日が過ぎた。

 フーバオはこれからの1ヶ月間を、検閲室で過ごすことになる。健康状態を調べながら、新しい環境に慣れさせなくてはならない。別れの時が近づいていた…。

アジコのおすすめポイント:

パンダと人間の交流をやさしい眼差しで見つめた、心温まるドキュメンタリーです。日本でも大人気のパンダ。昨年9月に上野のリーリーとシンシンが中国へ返還されたのが記憶に新しいところですが、韓国でもパンダがやって来ては故郷の四川省に返還され、出会いと別れが繰り返されます。フーバオが育った期間は、ちょうどコロナ禍と重なり、人々が癒しを求めていた時期。動物による癒しの力がどんなに大きいか、飼育員さんたちはもとより、フーバオファンの方々の姿からもよくわかります。それから、パンダの好物は竹のみと思っていのですが、ニンジンも大好きな様子。おいしそうに食べたり欲しがったりする姿がよく出てきます。二人のベテラン飼育員さんはそれぞれに個性的。おじいさんとして愛情を注ぎ、自分たちをカンバオ、ソンバオと呼ぶなどまさに家族同然。返還直前の予想外のドラマは涙を誘います。「一生分の幸せをくれた」と語るカンさん。「心のしこりから立ち直れた」と語るソンさん。これは、フーバオを通じた人間の心の記録でもあるのです。
*「フーバオのおじいちゃん」カン・チョルウォン飼育員さんからのメッセージ映像が届いております。

監督はMVからスタートし、幅広い活躍をしている若手のシム・ヒョンジュンと、ロサンゼルス出身のトーマス・コー。ピアノの音が優しく寄り添うソ・ウヨンの音楽も素晴らしく、また過去のエピソードとして挿入されるイ・ギョンホのアニメーションが微笑ましくて、作品を盛り上げます。別れがあれば、再会もあり。返還から3ヶ月後、中国のフーバオに会いに行ったカンさんの様子も終盤に登場しますので、ご安心を。またエバーランドには、まだ小さくてコロコロと可愛い双子の妹、ルイバオとフイバオ(飼育員さんはルイフイと呼んでる)がいるので、パンダファンの方々はぜひ会いに行ってくださいね。
*シム・ヒョンジュン監督からのメッセージ映像が届いております。

ちなみに、上野動物園でも双子のシャオシャオとレイレイが順調に育ち、今年で4歳になります。お姉さんのシャンシャンは2023年に5歳で中国へ返還されましたが、シャオシャオとレイレイの返還時期はまだ未定。シャンシャンはもともとは3歳(原則は生後24ヶ月)で返還されるはずが、コロナ禍で延びたそうなので、シャオシャオとレイレイにも早く会っておいた方がいいかもしれませんね。

p2p3

p5p4

p6p7

p8p9

p10p11

p12p13

p14p15

p16p17

p18

▼公式サイト ▼予告編