story
本作は、韓国で生まれた人気者のパンダ「フーバオ」が、2024年4月3日に中国へ返還されるまでの3ヶ月間を撮影したドキュメンタリー作品である。
2016年3月3日、中国からアイバオとローバオが韓国へやって来た。これから暮らすのはエバーランドにあるパンダワールド。自然繁殖で家族を作るのが目標だ。5、6年の努力の末、ついに長女フーバオが誕生する。さらに、双子の妹ルイバオとフイバオも誕生し、一家は5頭になった。
中心となって面倒をみるのは、ベテラン飼育員のカン・チョルウォンと陽気なソン・ヨングァンだ。ワシントン条約により、海外生まれのパンダは4歳になる前に中国へ返還される。愛情をたっぷりかけて育てているが、別れが来ることは最初から決まっていた。
フーバオの返還が4月と決まり、3月初旬までを一般観覧期日とした。カン飼育員は心の準備を始める。ソン飼育員は思い出作り。フーバオが小さい頃、母アイバオと使っていたハンモックを作って木の上に括り付けた。竹で作ったお気に入りのチュッパ竹もこしらえた。フーバオは内気な母アイバオと活発な父ローバオの両方に似ていた。
最終観覧日には、早朝から長い行列が続いた。大勢の報道カメラにも囲まれ皆が別れを惜しんだが、飼育員たちは最後のイベントを成功させるため、パンダが驚かないよう気を配る。嵐のような1日が過ぎた。
フーバオはこれからの1ヶ月間を、検閲室で過ごすことになる。健康状態を調べながら、新しい環境に慣れさせなくてはならない。別れの時が近づいていた…。
|