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ウリリは黒魔術の夢をみた

ウリリは黒魔術の夢をみた(Dog Days)

監督:ティミー・ハーン
脚本:ティミー・ハーン
撮影:アルバート・バンゾン、ジッピー・パスクア
編集:ジョン・トレス
美術:マイキー・レッド
音楽:Sewage Worker、マーカス・アドロ
出演:イヴ・バガディオン、バーバラ・ルアロ、エイドリアン・ヴェルガラ、マーカス・アドロ、カワヤン・デ・ギア、チャールズ・アーロン・サラザール、ジェット・B・ライコ

2018年/フィリピン
日本公開日:2025年4月5日
モノクロ/DCP/5.1ch/124分/R15+
字幕:津留崎麻子
配給:サムワンズガーデン

2018年 Qシネマ国際映画祭
 Pylon Award 助演男優賞(マーカス・アドロ)
 Circle Competion 部門 NETPAC賞
2019年 Famas Award フィリピン映画芸術科学アカデミー賞
 助演女優賞(エイドリアン・ヴェルガラ)

poster

story

 1991年、フィリピンでピナツボ火山が大噴火。カルメン(ジョナ・ゾレタ)は、自分たちが噴火を起こしたと信じるカルト集団に属している。彼女は愛するアービングが自分と赤ん坊を置いてアメリカへ帰ったため、自分の命をマイケル・ジョーダン・ウリリと名付けた赤ん坊に捧げ、黒魔術の儀式で自害する。

 ウリリは将来プロのバスケットボール選手として世界の頂点に立つ。カルメンの願いを叶えるため自害を手伝ったルイス(マーカス・アドロ)は、血の洗礼を受けた赤子とカルメンがウリリのために残した日本車ギャランΣを、仕事仲間のロシェル(エイドリアン・ヴェルガラ)に託した。

 成長したウリリ(イヴ・バガディオン)は大学のバスケットボール・チームに所属。才能は開花し、友人チャールズ(チャールズ・アーロン・サラザール)とやっている賭博試合で実力は知られているが、大学のマンリケコーチ(イアン・ロモンゴ)は息子のアロンソ(ミゲル・レイエス)を贔屓しており、黒人系のウリリは控え選手のままだ。

 負傷した選手に代わり、やっと試合に出たウリリはロングシュートを決め、試合に勝つ。ウリリに熱い視線を送っているのはモーリーン(バーバラ・ルアロ)だ。右足がひどく痛むが、ウリリはモーリーンと深く愛し合っていた。

 LAからスカウトがやって来るが、ウリリはエンリケ親子の策略で試合に出られない。しかも、怒るウリリをコーチがクビにし、大学からの奨学金も貰えなくなった。だが、知事戦が行われ、スカウトもやって来た。ウリリはアロンソと1対1の勝負で勝ち、チャンスが巡ってくる。

 その頃、モーリーンの妊娠がわかり、彼女は家を出た。ウリリは右足の靭帯を負傷。手術が必要になる。モーリーンに大切なギャランΣを売ってはと言われ、ウリリは激怒。行き詰まった二人の前に、ルイスが現れた。守護者としてウリリを見守っていた彼は、二人に仕事を紹介するのだが…。

アジコのおすすめポイント:

アメリカ人の血を引き、母親から命と引換えに未来の夢を託された青年が、夢に向かう途中で起こる様々な出来事により予想外の結末を迎える物語です。フィリピンのアートムービー界の新鋭ティミー・ハーンが、1991年のピナツボ火山大噴火によって撤退した米軍の海軍基地と、噴火後に再開発された地域(舞台となっているスービック)で育った人々、憧れのアメリカを象徴するバスケットボールをモチーフに、寓話的に描いています。主演は舞台で活躍する新人イヴ・バガディオンと個性的な魅力を放つバーバラ・ルアロ。音楽や映画、アート関係者も多数出演。守護者を演じるマーカス・アドロは、90年代フィリピンを席巻したオルタナティブ・ロックバンド、Eraserheadsのリードギタリスト。映画のエンディングで「モーリーン/カルメン」という曲を書き下ろし、歌っています。カルト集団の仲間役でキドラット・タヒミック監督の息子カワヤン・デ・ギアも出演。ラブ・ディアスのもとで照明を学んだアルバート・バンゾンとジッピー・パスクアによるモノクロ映像も美しく、摩訶不思議な世界を魅惑的にしています。

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