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スリ・アシィ

スリ・アシィ(Sri Asih)

監督:ウピ
原作:R. A. コサシ
脚本:ウピ、ジョコ・アンワル
撮影:H. アルフィアン
編集:トゥグ・ラハルジョ
アクション指導:イコ・ウワイス
美術:ジャファル
音楽:アギー・ナロッタマ
出演:ペフィタ・ピアース、レザ・ラハディアン、クリスティン・ハキム、ジェフリ・ニコル、ディマス・アンガラ、ジェニー・チャン、アリオ・バイユ、スリヤ・サプトラ、ランディ・パンガリラ

2022年/インドネシア
日本公開日:2023年12月15日
カラー/シネスコ/5.1ch/133分
字幕:若林信乃
配給:ライツキューブ
©2022 Screenplay Bumilangit Produksi.
2023年 ファンタスティック・フェス
 ネクスト・ウェイブ・アワード 作品賞
2023年 インドネシア映画祭
 視覚効果賞(Kalvin Irawan)
 メイク&ヘアスタイリング賞(Aktris Handradjasa)
2023年 マヤ・アワード
 衣装デザイン賞(Meutia Pudjowarsito)

poster


story

 妊娠5ヶ月の妻の夢を叶え、美しいムラピ山を訪れた若夫婦。記念撮影中に突如、ムラピ山が大噴火。逃げる車の中で陣痛が起こる。噴煙から逃れた森の中に、謎の老婆が現れ出産を手伝った。

 数年後。両親を亡くし孤児院で育ったアラナ(Keinaya Messi Gusti)は、いつも炎に襲われそうになる怖い夢を見ていた。だが、喧嘩は強く、親友のタングー(Quentin Stanislavni)をいじめるわるガキたちを追い回すほどだ。その様子を、養母となるサリタ(ジェニー・チャン)は満足げに見ていた。別れの時、タングーは自分もジャカルタへ行くと約束する。

 成長したアラナ(ペフィタ・ピアース)は、サリタの指導で負け知らずの格闘家に育っていた。夜になると、今も怒る炎の女の夢に悩まされていたが、サリタはアラナに怒りを抑え、自分をコントロールする術を教えた。そしてある夜、暴行事件から釈放されたばかりのマテオ(ランディ・パンガリラ)と出会う。

 マテオは権力者プラヨゴ(スリヤ・サプトラ)の息子で事件ばかり起こし、父から「自分の手を汚すな」と命じられる。マテオの事件を追っていた新聞記者は殺され、警察も事件の揉み消しに協力。女署長からいつも後始末を任されるジャトミコ刑事(レザ・ラハディアン)は、心に怒りを秘めていた。

 マテオは無敵のアラナを手中に入れようと、八百長試合を申し入れる。サリタは断るが事務所に危険が及んだため、アラナはこっそり承諾。しかし、試合中に炎の女が現れアラナを挑発。マテオを打ちのめしてしまい、事務所は荒らされ、サリタは大怪我を負った。怒ったアラナはプラヨゴの元へ乗り込むが、「お母さんのことを知っている」というカラ(ディマス・アンガラ)に止められる。

 その後、マテオが殺されアラナが容疑者にされた。さらに、サリタが眠る病室も爆破されてしまう。ショックを受け、仲間を助けると憤るアラナを、カラが自宅に連れ帰る。そこにはサリタが保護されており、カラの母マリアーニ(クリスティン・ハキム)は、アラナに過去の物語と彼女の出生の秘密、そして与えられた使命を物語るのだった…。

アジコのおすすめポイント:

マーベル・コミックのスーパーヒーローたちを主人公に、数々のヒットシリーズを生み出している「マーベル・シネマティック・ユニバース」(MCU)。インドネシアのエンターテイメント企業ブンミラゲットが、それに対抗すべく「ブンミラゲット・シネマティック・ユニバース」(BCU)を立ち上げて誕生したスーパーヒーロー・シリーズの第2弾です。(第1弾は2019年の『グンダラ ライズ・オブ・ヒーロー』/「のむコレ2020」にて上映。監督は『呪餐 悪魔の奴隷』のジョコ・アンワル。配信あり)インドネシア漫画の父とも称されるR. A. コサシの70年前のコミック・ワヤンを原作に、舞台を現代に置き換え、インドネシア初の美しくも力強い無敵の女性ヒーローを描いています。物語のルーツが神話世界から繋がっており、歴代の庇護者に守られてきたというのは、今年公開されたインド映画『ブラフマーストラ』にも通じるかも。そもそも、原作漫画は「ラーマーヤナ」の再解釈とも言われているので、共通点があるかもしれません。それはさておき、本作の監督は女性監督ウピ。社会派で知られており、いじめやジェンダー、貧富の差や権力者の腐敗、警察の汚職、ドラッグなどなど、現代ならではの問題も盛り込まれております。悩める男の怒りに悪魔がつけ込むのもこわい。主演はペフィタ・ピアース。彼女を支えるイケメンたちをジェフリ・ニコル、ディマス・アンガラ。適役にもイケメンがいっぱい登場しています。男の色気たっぷりのレザ・ラハディアンはやはり、ただ者ではありませんでした。アクションを演出するのは、『エクスペンダブルズ ニューブラッド』に参戦しているイコ・ウワイスと彼のスタントチーム。若干スピードが欲しいものの、どのシーンもかっこよくキマっております。ぜひ、続編が観たいものです。

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▼公式サイト ▼予告編