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声/姿なき犯罪者

監督:キム・ソン、キム・ゴク
脚本:ペ・ヨンイク
撮影:イ・ソニョン
編集:シン・ミンギョン
美術:イ・ナギョム
アクション監督:チョン・ジェヒョン
音楽:キム・ジュンソン、チョン・セジン
出演:ピョン・ヨハン、キム・ムヨル、キム・ヒウォン、パク・ミョンフン、イ・ジュヨン、チョ・ジェユン、ウォン・ジナ、チェ・ビョンモ、ソン・ジョンハク、ソン・ビョンホ

2021年/韓国
日本公開日:2022年9月30日
カラー/シネスコ/5.1ch/109分
字幕:
配給:ツイン
©2021 CJ ENM Co., Ltd., Soofilm

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poster


声/姿なき犯罪者(ボイス/On The Line)

story

 釜山の建設現場で班長として働くハン・ソジュン(ピョン・ヨハン)は元警官。仕事は順調でユン所長(ソン・ジョンハク)から現場監督を任され、来月からソウル勤務を約束されていた。ソジュンは愛する妻ミヨン(ウォン・ジナ)のために、将来性のある新しいマンションを購入しようとしていた。

 ところが、現場で人身事故が起き、ミヨンのスマホにソジュンが逮捕され警察署にいると連絡が入る。続けて、ソジュンの友人でキム・ヒョンスと名乗る弁護士から連絡が入り、動揺したミヨンに警察や金融機関が次々と連絡。ミヨンは示談金のために7000万ウォンを振込んでしまう。

 ソジュンからの電話で騙されたことを知ったミヨンは、交通事故に遭い意識不明の重体で病院へ運ばれる。その頃、ユン所長も詐欺に遭って給料を払えなくなり、自殺していた。怒りに燃えるソジュンは、当時の通信障害と不審な入れ墨男(ムン・ドンヒョク)がいたことを思い出し、刑事の感から組織犯罪を疑う。

 その男は旅行業者を装って不法移民を集め、パスポートを取り上げて違法労働をさせていた。ソジュンは情報屋のカンチル(イ・ジュヨン)と組んで独自の調査を進めながら、振込詐欺事件を担当している刑事イ・ギュホ(キム・ヒウォン)にも情報を流す。組織の元締めはパク室長(チェ・ビョンモ)で、母体は中国にあるようだ。

 組織のコールセンターには刑事が潜入しており、警察が突入すべく包囲していた。ソジュンは仲間を装ってパクをわざと逃がし、中国ルートの情報を掴む。偽名を使い中国のコールセンターに潜り込んだソジュンの前に、クァク・プロ(キム・ムヨル)、ファン社長(ソン・ビョンホ)と、組織の全貌が明らかになっていく…。

アジコのおすすめポイント:

組織的な振り込め詐欺の実態に迫るサスペンス・スリラーです。2018年 4040億ウォン、2019年 6398億ウォン、2020年 7000億ウォン…と冒頭に出てくるように、韓国でも日本と同じように弱者や高齢者を狙った振り込め詐欺が増えているんですね。恐ろしい!2016年から知能犯罪捜査隊に取材し、徹底的にリサーチ。その後も進化する手口を取り入れ、限りなくノンフィクションに近いリアリティで描かれています。しかも、映画で描かれる組織では、予めターゲットに向けたシナリオが作られ、大勢の人間がコールセンターから複数の電話で騙してきます。日本でも以前、タイで多数の受け子役が逮捕されたように、今や海外を拠点に展開する特殊詐欺グループが実際に存在するのです。恐ろしい!!監督はホラー映画で名を成したキム・ソン&キム・ゴク兄弟。主演は日本映画でも活躍するピョン・ヨハン。アクションのすべてを自分でこなし、スタッフを驚かせました。対する悪役が次々と登場(カメオ出演も豪華!)しますが、なかでもキム・ムヨル演じるふてぶてしくプライドの高い役柄は名演です。ピョン・ヨハン自身も詐欺電話を受けたことがあり、出演者たちの家族にも自分の名前を騙った電話がかかってきたとか。皆が被害に遭わないよう警告する意味でも、本作への出演に意欲を示したそうです。自分や家族を守るためにも、今、観るべき作品です。


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