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メイド・イン・バングラデシュ

メイド・イン・バングラデシュ(Made In Bangladesh)


監督:ルバイヤット・ホセイン
脚本:ルバイヤット・ホセイン、フィリップ・バリエール、
   ナジムル・フッサン
撮影:サビーヌ・ランスラン
編集:スジャン・マームド、ラファエル・マーティンホルガー
造形:ジョナキ・バッタチャリャー
美術:サッダム・カンダカー、ジョイ
衣装:モハメド・ロハン
音楽:Mayeen Uddin、Rehman、Tin Soheili
出演:リキタ・ナンディニ・シム、シャハナ・ゴスワミ、ノベラ・ラフマン、ムスタファ・モンワー、パルビン・パル、ディパニタ・マーティン

2020年/仏・バングラデシュ、デンマーク、ポルトガル
日本公開日:2022年4月16日
カラー/95分
字幕:神戸女学院大学英文学科チーム
ベンガル語監修:南出和余
配給:パンドラ
©2019 - Les Films de L'apres Midi - Khona Talkies - Beofilm - Midas Filmes
2019年 アフリカン・アメリカン・ディアスポラ国際映画祭
 観客賞部門 有色人女性による監督賞
2019年 アミアン国際映画祭 CMCAS賞
 審査員特別賞部門 作品賞/観客賞部門 作品賞
2019年 サン・ジャン・ド・リュズ国際映画祭
 女優賞(リキタ・ナンディニ・シム)
2019年 トリノ映画祭
 Interfedi賞(ルバイヤット・ホセイン)
2020年 トロムソ国際映画祭
 ノルウェイ平和映画賞部門 平和映画賞

poster

story

 バングラデシュの首都ダッカ。縫製工場で大勢の女性たちがミシンがけをしている。劣悪な配線の中、オーバーヒートが起こり電気が消えてしまう。火災が起こり警報機が鳴った。皆、パニックになり一斉に部屋から逃げ始める。工場ではこのような火災がよく起こった。後日、逃げ遅れて犠牲者が出たこともわかった。

 23歳のシム(リキタ・ナンディニ・シム)もここで働いている。13か14歳の頃、親から結婚を強制させられ、地元のラージプールからダッカへ逃げてきたのだ。工場で働く女性たちは皆、同じような境遇だった。今はダッカで知り合ったショヘル(ムスタファ・モンワー)と結婚しているが、彼は失業中でシムの稼ぎをアテにぶらぶらと暮らしていた。

 ある日、シムは工場へ向かう途中にある女性から声をかけられる。労働者権利団体のナシマ・アパ(シャハナ・ゴスワミ)だ。彼女は工場で働く女性たちの状況を取材して回っていた。彼女のオフィスを訪れ、今の境遇を訴えるシム。ナシマは「労働組合って聞いたことがある?」とシムを労働者集会へ誘った。

 工場の幹部の部屋の前に、女性労働者たちが並んでいた。未払給料の支払いを迫ったのだ。シムも「残業代を払え」と抗議するが、追い返される。皆で不満を語り合う中、シムが労働者集会に行ってみないかと誘ってみる。最初は皆、乗り気でなかったが、「自分の身は自分で守るしかない」というシムに説得されて参加。「労働組合を結成すれば、経営者も要求を聞く」と学んでいく。

アジコのおすすめポイント:

バングラデシュの縫製工場で働く若い女性が労働法を学び、自らの意思で労働組合を作って労働条件や労働問題を合法的に解決しようと奮闘するヒューマン・ストーリーです。監督&脚本はバングラデシュで活躍する気鋭の女性監督ルバイヤット・ホセイン。本作に登場する人権組織の女性と同じように工場で労働者に取材していた監督が、本作のモデルとなったダリヤ・アクター・ドリと出会ったことで、彼女の体験を主人公のシムに託して95%も再現しています。また、ダリヤという名前は、主人公の親友で対立しては仲直りをするキャラクターに託されました。過酷な労働環境と搾取する経営者、安い労働力を求める多国籍企業、役人と癒着する経営者などなど労働問題だけでなく、10代前半で結婚を強いられるという伝統的な因習も背景に盛り込まれ、働かない男性やDVなど、様々な問題が盛り込まれています。それらに果敢に挑んでいく主人公の強さ、潔さは心地よく、彼女たちの勝利を願わずにはいられません。


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▼公式サイト ▼予告編