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スレイト

監督:チョ・バルン
脚本:チョ・バルン
撮影:イ・ソクチュン
照明:イ・テヒ
編集:チョ・バルン
武術監督:シム・サンヨン
美術:イム・スジョン
衣装:キム・ギョンミ
音楽:チョ・スンジン
出演:アン・ジヘ、イ・ミンジ、パク・テサン、チョ・ションギ、イ・セホ、チョンホ、パク・インス、イ・ダヨン、チョン・ジンウ

2020年/韓国
日本公開日:2021年6月25日
カラー/5.1ch/DCP/110分
字幕:根本理恵
配給:ライツキューブ
配給協力:渋谷プロダクション
© 2020 Contents Village and MCMC

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スレイト(スレイト/SLATE)

story

 無名俳優を父に持つヨニは、父がアル中になり養護施設に入れられた。ヨニの夢は「主人公」になること。主人公にならなければ役立たずと父から言われていたのだ。そんなヨニに施設の先生は「人の心は磁石と同じ。強く願えば望むものを宇宙から引き寄せられる」と緑色の丸い玉飾りを渡す。

 20年後、ヨニ(アン・ジヘ)はアクションスターを目指して売り込みに励んでいた。そのかいあって、怪我で出られなくなった人気女優が演じる映画の主人公「鬼剣」の役を打診される。但し、スタントでの出演だ。スタントは嫌だと言いながらも、親友のスア(イ・ダヨン)に説得され、ヨニは二人でロケ地へ向かう。

 ところが車はルートを外れ、古びた街に到着する。元女優のスアが面白がってスレイト(カチンコ)を鳴らす。剣を持ったヨニは廃屋で自分のものと同じ玉飾りを見つける。すると、その2つの玉が緑色の輝きを放ち始め…。

 目覚めたヨニは、領主のキム・ジナ(イ・ミンジ)と出会う。彼女はヨニに鬼剣かと尋ね、撮影と思ったヨニはそうだと答えた。街では山賊王トン・ジャル(チョンホ)の一味が暴れていた。彼らはテピョンソ(イ・セホ)の命令で動いているだけだという。

 混乱するヨニを助けたのは3年前に失踪したユーチューバーのゴースター(チョン・ジンウ)だった。洞窟で話を聞くヨニ。ゴースターは、ここは異世界、パラレルワールドだと説明する。二人は同じ緑の玉飾りを持っていた。彼らの願いがここを引き寄せたのだ。

 その頃、肩に鳩を乗せた本物の鬼剣(チョ・ションギ)が街へやって来る。そして、真竜組では重病の組長(パク・インス)の元、フィリップ(パク・テサン)とテピョンソの内部分裂が始まっていた

アジコのおすすめポイント:

主人公になることを夢見ながらも芽が出ず、下積みが続いているアクション女優が、幼い頃にもらった不思議な玉の力で異世界に入り込み、命がけの体験を通じて真のアクションスターになっていくファンタジーアクションドラマです。とはいえ、特撮はあまり多用されておらず、低予算で作られたインディーズ映画風のアナログな作り。その分、主人公のキレのいい殺陣が光り、音楽もマカロニウェスタン調になっています。監督はロンドンで映画を学び、イギリス人映画監督として活動しているチョ・バルン。本作のためにスタントなしでアクションができる女優を探していたら「アクションに関する全てをこなせる」というアン・ジヘと出会い、彼女の練習ビデオを見て主役に決めたそう。まさに映画を地でいく展開で、ドラマ「六龍が飛ぶ」で女刺客を演じていたアン・ジヘの見事な主演デビュー作となりました。そのほかの出演陣も個性的で、ラストではあっちの世界の人たちが皆、こっちの世界でまったく別人として生きているという種明かしもあり、最後まで楽しめます。ちなみにタイトルの「スレイト」とは、次元ジャンプの道具となっている「カチンコ」のこと。強く願えば夢がかなう、夢を現実に引き寄せられるところは、光くんの世界とも通じているかも。


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