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僕たちの家 (うち) に帰ろう

監督:リー・ルイジュン
脚本:リー・ルイジュン
撮影:リウ・ヨンホン
編集:リー・ルイジュン
美術:リー・ルイジュン
音響:フー・カン、ワン・チャンルイ
音楽:ベイマン・ヤズダニアン
出演:タン・ロン、グオ・ソンタオ、バイ・ウェンシン、グオ・ジェンミン、マ・シンチュン

2014年/中国
日本公開日/2015年8月29日
カラー/1:1.85/デジタル/テュルク語、北京語/103分
字幕:チオキ真理
配給:マジックアワー
(c)2014 Laurel Films Company Limited
2014年 香港国際映画祭
 ワールドシネマ部門 SIGNIS賞
*第27回東京国際映画祭上映タイトル『遥かなる家』

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僕たちの家 (うち) に帰ろう
(家在水草豐茂的地方/River Road)

story

 放牧をしながら牧草地を転々として暮らす少数遊牧民族のユグル族。年々と草原が減り、両親は奥地へと移動するため、兄のバーテル(グオ・ソンタオ)は祖父(バイ・ウェンシン)と暮らし、弟のアディカー(タン・ロン)は学校の寄宿舎に入っていた。

 たまに父親(グオ・ジェンミン)が様子を見にやって来るが、新しい服を買ってもらえるのはいつもバーテルで、アディカーはおさがりだ。母親が妊娠中に具合がわるくなったため、バーテルは幼い頃から祖父の元で暮らしている。父親がバーテルに気遣うのはそのせいもあった。

 夏休みに入った。その年、いつものように父親が迎えに来ず、アディカーは寄宿舎に取り残される。一方、病気の祖父が突然他界してしまい、バーテルも動揺していた。「おじいちゃんが死んだことをお父さんに伝えなくちゃ」アディカーはラクダに水と食糧、おじいちゃんの遺影を積んで、一緒に両親の元に行こうとバーテルを誘う。

 幼い頃から両親と暮らしていたアディカーのことを、バーテルは妬んでいた。自分は要らない子だと思い込んでいた。しかし、おじいさんのことは伝えたい。バーテルは渋々、アディカーと共に旅に出る。河に沿って行けばたどり着くはずだ。二人は干上がった河の跡を進んでいく。

 痩せて枯れてしまった大地。見捨てられた廃村。崩壊した遺跡。閉鎖される寺院。二人は喧嘩しながらも旅を続け、蒼々とした草原で両親と再会することを夢見るのだが…。

●アジコのおすすめポイント:

シルクロードの一部、中国北西部にある甘粛省を舞台に、遊牧民である少数民族ユグル族の少年たちの旅を描いたロードムービーです。かつてこの地に強大な王国を築いたこともあるユグル族ですが、今や1万4千人しかいないとのこと。ここで生まれ育ったリー・ルイジュン監督は、彼らの文化を惜しみ、この民族について知ってもらうために本作を制作しました。主人公の兄弟に選ばれたのは、現地の子どもたち。2ヶ月のトレーニング期間で演技の練習と、今は話せない昔のユグル語を覚えたのだとか。ラクダを慣らすのも大変だったようです。両親と育ったため遊牧民の智恵を持つ弟は頼もしく、兄が弟を置き去りにするなど兄弟の確執もあるのですが、寺院での経験が二人を近づけます。荒涼とした風景、どこまでも続く沙漠、廃墟や遺跡など、ロケ地の大きな風景も見どころ。大自然の中を進む少年たちの未来は一体どうなるのか? 気になるところです。


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