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製作:リン・リー、シャロン・ルーポル
監督:ジェイムス・ロン、リン・リー
撮影:ジェイムス・ロン
編集:ジュヌヴィエヴ・タン、ジェイムス・ロン
出演:リ・ユンミ、キム・ウンボム、ピョ・グァン

2012年/シンガポール
日本公開日/2014年3月8日
カラー/93分
配給:33 Blocks
(c)Lianain Films


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シネマパラダイス★ピョンヤン
(The Great North Korean Picture Show)

story

 北朝鮮唯一の映画学校、ピョンヤン演劇映画大学。そこは選ばれた若者たちが、娯楽のためでなく主体思想を表現するため訓練を受けるエリート機関だ。しかし、大学は改修中のため、取材はキャンパスの野外授業で行われ、二人の俳優の卵、リ・ユンミとキム・ウンボムが紹介される。

 ユンミは科学者を父親に持つ特権階級の娘。父の反対を押し切ってピョンヤン演劇映画大学のオーディションを受け、見事合格。今では両親に応援され、女優への道を歩んでいるが、ぽっちゃり体型のユンミはダンスが苦手。ダイエットしないといけないのだが…。

 映画監督と国民的女優を両親に持つウンボムは、医師役として短編映画に出演するが、演技に重みがないとしごかれる。「将軍様に喜びを捧げる俳優になりたい」と願うウンボムに、母親はいい俳優である前に愛国者になって欲しいと言う。「いい俳優になれば愛国者です」

 ベテラン映画監督のピョ・グァン氏が朝鮮芸術映画撮影所を案内する。60年代の日本街、50年代の南朝鮮街、30年代の中国街…全て将軍様が作った広大なセットだ。朝鮮人民軍の兵士数百人を動員して撮影中の超大作で、「笑うな!」と監督の怒声が響く。20歳足らずの兵士たちは銃の撃ち方は知っていても、戦争を知らないのだ。

●アジコのおすすめポイント:

ピョンヤン国際映画祭に『アキ・ラーの少年たち』が招かれ、初訪朝したジェイムス・ロンとリン・リーは、そのときにできた映画人たちとの人脈で北朝鮮映画に関するドキュメンタリーの撮影を決意。8ヶ月に及ぶメールのやりとりを経て撮影許可を得ますが、条件は案内人の同行と撮影した日のうちのフィルム検閲でした。説得をして唯一、削除を免れたのが停電シーンだそうです。そこに映されているのは、明らかに偏った一面なのですが、そこから透けて見える人々の表情、無防備な若者たちの笑顔など、裏読みの興味深さも味わえる貴重な作品となっています。


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