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秘密のオブジェクト

監督:イ・ヨンミ
脚本:イ・ドンフン、イ・ユンミ
撮影:チョ・チョルホ
編集:キム・ヒュンジュ
音楽:パク・ジユン
出演:チャン・ソヒ、チョン・ソグォン、ユン・ダギョン
声の出演:イ・ピルモ、シム・イヨン

2011年/韓国
日本公開日/2012年12月1日
カラー/1:1.85/ドルビーSRD/112分/R18+
配給:太秦
(c) Film Front 2011
2012年 ロサンゼルス国際女性映画祭
 2012 Best of Festival(最優秀賞)

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秘密のオブジェクト(Secret, Objects)

story

 大学の社会学科教授ヘジョン(チャン・ソヒ)は成功を手に入れた40歳。1週間前に出した本がベストセラーとなり、理想の夫婦としてインタビューを受けたりしているが、夫とはとっくに別居しており、ネットで他人の情事の世界に浸るのが密かな楽しみだ。そんな彼女の心を知っているのは、研究室にあるコピー機(声:イ・ピルモ)だった。

 ヘジョンは「婚外情事」に関する論文を書くために助手を募集し、心理学科2年生のウサン(チョン・ソグォン)がやって来る。若くて魅力的なウサンとの仕事は楽しく、女性たちの赤裸々な体験談を取材するうちに、その思いはどんどん高まっていく。自宅に招いて一緒に料理をした夜、疲れて寝込んだウサンにそっとキスをするヘジョン。だが、抱かれたいという気持ちを必死で抑え込む。

 翌日の研究室で、ウサンが恋人専用の携帯を持っていることを知ったヘジョンは激しく落ち込み、女友達に誘われてホストクラブへでかける。ところが、その店の人気ナンバー1はなんとウサンだった…。 

 数年前、両親の離婚で傷ついたウサンは、過去の記憶を消して新しい人生を歩もうとする。そんな彼の心を見つめてきたのが、初めてのデジタルカメラ(声:シム・イヨン)だ。だがウサンは仕事ができず、ホームレスになりかけたところをホストクラブの店長に救われ、彼の店で働くことに。

 稼いだお金で大学に通い始めたウサンは、図書館で見かけた女性に心惹かれる。彼女が置き忘れた眼鏡を返そうと、大学中を探し回るウサン。たどり着いたのは、大学教授ヘジョンの研究室だった。ドアには助手募集のはり紙。それから、憧れの女性との楽しい日々が始まるが、彼女とだけはプラトニックな関係でいようと感情を抑えていた。ところが…。

●アジコのおすすめポイント:

ロンドンで映画を学んだ新世代映像作家、イ・ヨンミ監督のユニークな長編デビュー作品です。社会学科で婚外情事を研究する40歳の女大学教授と、その助手となった21歳の大学生との出会いと恋の行方を、前半は大学教授、後半は大学生の視点から2部構成で描いています。その語り部となるのが、教授の研究室にあるコピー機と青年がいつも持ち歩いているデジタルカメラ。結婚が破綻し性的欲求不満を持つ中年女と、両親の離婚で傷つき愛に飢えた青年の屈折した心をやさしく見守り、励まし、最後には自らを犠牲にして、二人の思いを導いていきます。主演は童顔のベテラン女優チャン・ソヒと、アクション監督志望から俳優に転身した人気急上昇中のチョン・ソグォン。R18指定ですが、きわどいのは取材の体験談シーンやホストクラブのダンスシーンくらいで、主演の二人はかなりプラトニック。だからこそ、ラストシーンが美しく感動的となっています。実はコピー機もデジタルカメラも二人に恋してます。が、そこは機械ゆえ…これも、秘密のオブジェクトなんでしょうね。うまい。

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