logo

ムサン日記〜白い犬

監督・脚本:パク・ジョンボム
撮影:キム・ジョンソン
照明:イ・ジョンソク
美術:ウン・ヒサン
編集:チョ・ヒョンジュ
音響:ムン・ジュニョン
ヘアメイク:キム・ミンジュ
衣裳:イ・アロン
出演:パク・ジョンボム、チン・ヨンウク、カン・ウンジン、パク・ヨンドク、ペック

2010年/韓国
日本公開日/2012年5月12日
カラー/16:9/HD/ステレオ/127分
配給:スターサンズ
(c)2010 SECONDWIND FILM.
2010年 プサン国際映画祭
 ニューカレント賞/国際映画批評家連盟(FIPRESCI)賞
2010年 マラケシュ国際映画祭 グランプリ
2011年 韓国映画評論家賞 新人監督賞(パク・ジョンボム)
2011年 ロッテルダム国際映画祭
 タイガーアワード/国際映画批評家連盟(FIPRESCI)賞
2011年 ドーヴィル・アジア映画祭 審査委員賞
2011年 トライベッカ映画祭 新人監督賞(パク・ジョンボム)
2011年 サンフランシスコ映画祭
 新人監督賞(パク・ジョンボム)
2011年 ロシア・タルコフスキー映画祭
  グランプリ/ロシア批評家連盟賞
2011年 イタリア・ペサロ映画祭
 大賞/ペサロ・ヤング・シネマ・アワード
2011年 ポーランド Off Plus Camera
 国際インディペンデント映画祭 グランプリ
2011年 東京フィルメックス 審査員特別賞  

p2

p3

ムサン日記〜白い犬
(ムサン日記/The Journal of Musan)

story

 北朝鮮と中国の国境に位置するムサンからやってきた青年スンチョル(パク・ジョンボム)。国境を越え、韓国に来たものの、脱北仲間のギョンチョル(チン・ヨンウク)と借りた安アパートでの暮らしは、北での暮らしと代わり映えしなかった。

 ギョンチョルは韓国での暮らしにすぐさま順応し、危ない仕事に手を出して稼いでいる。彼には不器用なスンチョルが歯がゆくてならない。おかっぱ頭に、ダサい服。いかにも北から来ましたという風貌のスンチョル。わずかなバイト代でポスター貼りの仕事をするなんて、ただの間抜けだ。

 ギョンチョルはスンチョルを馬鹿にしながらも、何かと彼の世話をやき、ある日、スンチョルにブルーのナイキのダウンジャケットを買ってやる。しかし、買い物をしている間に、スンチョルはギョンチョルがズボンを万引きしているのを見つける。真面目なスンチョルは、そんなギョンチョルが許せないのだった。

 スンチョルにとって、唯一の心の拠りどころは教会だった。教会へ行く時、スンチョルはギョンチョルのスーツを借りる。スンチョルには秘かに憧れる女性がいた。聖歌隊のスギョン(カン・ウンジン)だ。ある日、スンチョルは彼女のあとをつけ、スギョンが働くカラオケ・バーを見つける。

 それは、スギョンの父が経営する店で、彼女は父の右腕として働いていた。バイト先でもいじめにあっているスンチョルは、教会で彼女を知っていることや脱北者であることは伏せ、カラオケ・バーで深夜のバイトを始める。

 その頃、スンチョルは捨てられた白い犬を拾ってくる。一緒に暮らそうとするスンチョルにギョンチョルは怒るが、スンチョルは犬にペックと名付け、心を通わせる。

●アジコのおすすめポイント:

北朝鮮と中国の国境付近の町、ムサンから脱北してきた青年スンチョルの日常を淡々と描いた作品。不器用だけど信念を持ち、真面目に生きているスンチョル。それとは対照的な生き方をしているギョンチョル。同居してる二人ですが、もちろんスンチョルはギョンチョルの居候。でも、この二人の間にも一口では言えない絆があり、後にギョンチョルが窮地に陥った時、スンチョルがどのような行動をとるのか。そして、スンチョルの心を代弁していた白い犬は…と、様々な思いがよぎります。監督は主人公を演じているパク・ジョンボム。共に映画への夢を追い求め、若くして亡くなった後輩で脱北者だったチョン・スンチョルさんをモデルに、万感の思いを込めて撮られた本作は、世界の映画祭でも高く評価されました。まさに『息もできない』に匹敵する衝撃作です。


p4p5

▼公式サイト 閉じる