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僕は君のために蝶になる

監督:ジョニー・トー
脚本:アイヴィ・ホー
撮影:チェン・シウキョン(HKSC)
編集:デイヴィッド・リチャードソン
音楽:ガイ・ゼラファ
出演:ヴィック・チョウ/リー・ビンビン/ヨウ・ヨン/マギー・シュウ/ラム・シュー/ロイ・チョン/ウォン・ヤウナン/フォン・イーケイ

2007年/香港
日本公開日/2008年10月25日
カラー/シネマスコープ/ドルビーデジタル/88分
配給:クロックワークス、ツイン

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僕は君のために蝶になる(蝴蝶飛/Linger)

story

 アトン(ヴィック・チョウ)は大学中の憧れの的。エンジャ(リー・ビンビン)は、そんなな彼に密かに恋心を抱いていたが、彼にはミスキャンパスの恋人がいた。だが、自分に対していつも無愛想な態度のエンジャにアトンは次第に惹かれるようになり、やがて2人は結ばれる。

 挑発的なエンジャに対し、元の恋人にも気を遣うアトン。そのことがきっかけで2人は喧嘩別れをし、アトンはバイクでエンジャの運転する車を追いかける。「君は僕をほんとうに愛しているのか?」バイクを走らせながら、窓越しに運転席のエンジャに問いかけるアトン。その時、アトンは向かって来るトラックと接触。帰らぬ人となる。

 3年後、大学を卒業したエンジャは、法律事務所でアシスタントとして働いていた。学生時代とは別人のように殻に閉じこもり、精神安定剤に頼る日々。彼の最後の言葉が頭から離れず、罪悪感に苛まれているのだった。

 過去を乗り越えるため、エンジャは医師(ロイ・チョン)の助言で薬の服用を止めることにする。だが、その頃からアトンの夢を見るようになり、やがて亡霊となったアトンが頻繁に姿を現すようになるのだった。彼女の真意がわからないまま旅立ったアトンは、死後もずっと彼女に寄り添っていたのだ。そして、2人は初めて本音をぶつけ合い、互いを理解するようになっていく。

 知らなかったアトンの子ども時代のこと、父親との葛藤、未来の夢。逢瀬を重ねる内に、エンジャは初めてアトンの素顔に接し、彼への気持ちが本物だったことに気づいていく。その頃、エンジャは仕事でシュー(ウォン・ヤウナン)という若い男の裁判担当になる。どうしようもない問題児の彼はエンジャにだけは心を許し、エンジャは彼にアトンの父親(ヨウ・ヨン)の尾行を依頼する。

●アジコのおすすめポイント:

男気溢れる映画を得意とするジョニー・トー監督が、女性を主役にした恋愛映画に挑戦!というだけでも興味津々なのに、男性主役をなんとヴィック・チョウが演じるということで、さらに気になっていた作品。アイヴィ・ホーの原作に忠実に映像化したということで、いつものジョニー・トー・ワールドとはテイストが異なるものの、構図だったり映像だったり…のこだわりはやはりトー監督。そして、注目のヴィックですが、クセのある役柄を男っぽく演じており、けっこう凄みがありました。ドラマで見て来た今までのヴィックとは、明らかに違って見えました。ヴィックにとっては本作が映画デビュー作品になりますが、俳優としてさらに進化するステップになったのではないでしょうか。


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