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天安門、恋人たち

監督:ロウ・イエ
脚本:ロウ・イエ、メイ・フェン、イン・リ
撮影:ホァ・チン
編集:ロウ・イエ、ツアン・チアン
音楽:ペイマン・ヤズダニアン
出演:ハオ・レイ/グオ・シャオドン/フー・リン/チャン・シャンミン/ツゥイ・リン

2006年/中・仏
日本公開日/2008年7月26日
カラー/ヴィスタ/ドルビーSRD/140分/R-18
配給:ダゲレオ出版
(c) Laurel Films/Dream Factory/Rosem Films/Fantasy Picture 2006
2006年 カンヌ国際映画祭コンペティション部門正式出品作品

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天安門、恋人たち(頤和園/Summer Palace)

story

 中国東北部。北朝鮮との国境近くの街・図們に住むユー・ホン(ハオ・レイ)は、その日、恋人のシャオ・ジェン(ツゥイ・リン)が配達してきた大学の合格通知を手にする。北京へと旅立つ前の夜、いつものように口実を作ってデートにでかけるユー・ホン。人気のない空き地の草むらの中、二人は衝動にかられるように結ばれる。

 家族と恋人のいる故郷を離れ、ユー・ホンは北京の大学に入学。4人部屋の女子寮に入る。周囲に馴染まず、いつも一人で過ごすユー・ホンは、芸術家のリー・ティ(フー・リン)と意気投合。二人は親しくなり、やがて彼女の恋人ローグー(チャン・シャンミン)の友人チョウ・ウェイ(グオ・シャオドン)を紹介される。ときは1989年。学生たちの間で、自由と民主化を求める嵐が吹き荒れる中、ふたりは狂おしく愛し合うようになっていった。  

 しかし、幸せは長く続かない。チョウ・ウェイにあまりに強く魅かれるあまり、いつか離れる日を恐れたユー・ホンは自分から別れを口にしてしまう。彼女の気持ちを理解できないチョウ・ウェイ。お互いに求め合いながらも、ふたりの心はすれ違ってしまう。そして、学生たちによる激しい抵抗活動の続くある夜、彼女を心配して北京にやって来たシャオ・ジェンと共に、ユー・ホンは大学から姿を消す。一方、天安門事件の後、チョウ・ウェイは軍事訓練に参加し、自由を求めてリー・ティらとベルリンへ移り住む。

 10年後。ユー・ホンは中国各地を転々としながら仕事や恋人を変えて生活していたが、胸の奥底ではチョウ・ウェイを忘れることができないでいた。チョウ・ウェイもまた、外国での暮らしの孤独と不安のなかで、思い続けるのはユー・ホンのことだった。帰国したチョウ・ウェイは、偶然にユー・ホンの居所を知り、彼女に会いに行くのだが…。

●アジコのおすすめポイント:

日本とは20年ほどのタイムラグがありますが、学生運動が盛んだった頃の日本の大学生もこんな風だったのではないでしょうか。自由への憧れとフリーセックスの謳歌。ヒロイン役のハオ・レイはあまり飾り気はありませんが、『ラスト、コーション』のタン・ウェイにも負けないくらい大胆なヌードを披露しています。性の遍歴を重ねながら、彼女が求めていたのは何なのか? そして、再会した二人の心に去来したものは? 天安門事件はあくまで背景として描かれており、政治的な物語ではありません。当時の時代の空気の中で、熱に浮かされていた若者たちが、10年後どうなっていったのか。人間ドラマをお楽しみください。

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