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鳳凰、わが愛

監督:ジヌ・チェヌ
脚本:シェン・ジェ、ジヌ・チェヌ
撮影:モン・シャオチン
編集:トゥー・ユエン
音楽:S.E.N.S.(メインテーマ「Crossing Over」)
挿入歌:「鳳求凰」王楡(ワン・イー)
キャスト:中井貴一/ミャオ・プゥ/グォ・タォ/スン・チンチン/イー・カイレイ

2007年/日・中
日本公開日/2007年11月3日
カラー/ビスタサイズ/ドルビーSRD/121分
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
(c)2007「鳳凰」製作委員会
2007年 東京国際映画祭オープニングナイト作品


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鳳凰、わが愛(鳳凰/Crossing Over)

story

 1920年頃の中国東北部。リュウ(中井貴一)は恋人のフォン(スン・チンチン)を助けるために、争った相手に大怪我を負わせてしまい、懲役15年の罪で投獄される。自分を待つフォンを想いながら、辛い刑務所生活を乗り越えるはずだったが、やがて辱められたフォンが自殺したと知らされる。愛する人と生きる希望を失ったリュウは、恋人を死なせ、自分を刑務所へと追いやった男への復讐を誓う。

 反抗的な態度のリュウは、男女混合の懲罰の場で、暴力に耐えられず夫を殺してしまった女囚ホン(ミャオ・プゥ)と出会う。夫の子供を妊娠していたことで死刑を免れた彼女も、飛び降り事件を起こすほど絶望の淵にいた。二人は懲罰として、一緒に豚小屋の掃除をすることになり、次第に心を通わせていく。

 そんな2人の恋を、囚人仲間のリアン(グォ・タオ)が見守っていた。彼は、あらぬ疑いをかけられて投獄された男で、リュウが最も心の許せる友であった。リアンは八掛を見ては、囚人たちの未来をあれこれと予言してみせた。また、リュウとホンの仲を取り持ち、少しでも2人の距離が近くなるよう手を尽くしていた。

 ある日、刑務所の中で行われた氷の彫刻大会で、リュウはホンに、自分が作った彫刻を何とか見せようとする。それは鳳凰の形をしていた。鳥と蛇が一つになった鳳凰は、酉年のホンと巳年のリュウの愛を象徴するもの。それは、直接言葉を交わすことのできない刑務所で、なんとか伝えようとした愛の言葉だった。

 真冬の屋外作業の最中、ホンが天坑に落ちてしまう。リュウは監視員の制止を振り切って、自分も穴の中へ飛び込んで行く。厚手の作業衣を着ていたおかげで助かった2人は、つかの間の逢瀬を喜ぶが、共に刑期を全うし、晴れて夫婦になろうと、刑務所へ戻って行く。やがて、男女の分離収監が決まり、別れの時がやってくる…。

●アジコのおすすめポイント:

実話をベースに作られた物語です。初めてプロデュースも担当した中井貴一と、相手役を演じるミャオ・プウが、迫真の演技で胸に迫ります。刑務所という制限された環境の中で育まれる愛は、せつなくて一途。互いを思うことで、生きる希望を見い出していく過程は暖かくもあり、2人の幸せを願わずにはいられません。そんな2人を見守る男を演じるグォ・タオが、またいい。『クレイジーストーン』以来、ブレイク中のグォ・タオですが、韓国のチェ・ミンシクを彷佛とさせる見事な演技が秀逸です。中国東北部の寒い風景が、愛の暖かさを際立たせています。

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