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Asicro People

更新日:2013.2.14

●Asicro People ではアジアと日本をつなぐ様々な活動をしている方たちをご紹介していきます。

田代親世さん

懐かしいジュンベアー(右)と。

 韓国ではなかったんですね?

 田代「その方は、私が香港に留学して、台湾やアジアにも詳しいというのを知っていたし、脚本を書きたいというのも知っていたので、それで声がかかったのだと思います」

 当時、台湾へは取材に行かれたんですか?

 田代「映画の脚本を書く時は行かなかったんですけど、その後、それを元にした小説にする時は取材に行きました」

 小説版は結末が違うようですね。

 田代「違います。構成も違います。人物や設定はほぼ同じですが、人物の比重が違って、構成が違って、ラストが違う。なので、メッセージもちょっと違います」

 それは気になりますね! 映画のような曖昧なラストではなく…

 田代「…なく、もうハッピーエンドですからね(笑)」

 映画はそうなって欲しいと思って観ていました(笑)。

 田代「そうなって欲しいと思うところに、私は落ち着けました。もともとは、もっと伏線があって、いろんな人物が全部まとまるラストだったんです。だから小説版こそが、私がオリジナルで書いた脚本なんです。それを映画にするにあたって、監督(中国のフォ・ジェンチイ)の雰囲気で脚色されたので、違った物になりましたが、コンセプトは同じです」

 映画の撮影当時、監督とはお会いになりましたか?

 田代「台湾のロケ現場には行きましたが、事前にはお会いしていません。フォ・ジェンチイ監督なので、もう、お任せします!みたいな感じで(笑)。中国の巨匠だし、監督のパートナーの方が脚色されたので、こちらからは口を出さないでお任せする契約にしました。撮影中は、ロケ現場に1回。お祭りのシーンを撮っているところだったかな。だから、監督やスタッフ、キャストとはその時にお会いしました」

 今は何か書いておられますか?

 田代「今年は1本、自分なりに作ってみたいなと思う題材があるので、できあがったらどこかに持っていこうかなと思っています」

●韓国ドラマと今後のイチオシ俳優

 映画といえば、韓国映画にもよい作品がたくさんあって好きなのですが、日本ではまだまだドラマの方が人気がありますね。

 田代「やっぱり、皆さんドラマを見るのに忙しいのだと思います。わざわざ、お金を払って観るよりは、待っていればテレビでやるし、DVDにもなるし…という感じがあるのかもしれません。でも、1回スクリーンで観ると、やっぱりスクリーンで観る贅沢感とか、返ってくる感度が違いますよね。そこがちょっと残念なんですけどね」

 映画館で観た方がいい作品って、結構ありますよね。

 田代「ただ、やっぱりドラマもすごく面白いから、あの、どっぷり浸っちゃうドラマの魅力にはまってしまうと、なかなかね。2時間の映画では、物足りなく感じちゃうのかも。ドラマがあまりにも濃く描かれているから。まるで1つの家族史を見たような気にもなるし、1つの時代を体感した気にもなるし。一大ロマンスを体験したような気にもなりますよね(笑)」

 韓国ドラマを見ていると、因縁というか「恨」とよく言いますけど、やはり復讐劇が多い気がします。

 田代「韓国は執着心が強いんです。台湾ものでは、あまりないじゃないですか。続かないんだと思います、執着が(笑)」

 土地柄もあるんでしょうね。台湾は暖かいし。

 田代「絶対あると思いますよ。楽天的ですもんね、台湾の方が。まあ、いいかって。韓国だと、どうしても成功したいという人たちが多いんです」

 イ・ビョンフン監督の時代劇を観ていると、よく背景で雨が降っているんですが、気づかれないように雨を消してあります。ロケ地は雨が多いんでしょうか?

 田代「きっと、天気を待っていられない状況で撮っているんでしょうね」

 すごい撮り方ですよね。あのような撮影のし方は前からなんでしょうか?

 田代「そうみたいですよ。2000年だったけど、最初にアン・ジェウクにインタビューをした時、ドラマをやっている時はほんとうに徹夜が続くからと言われて。少し大袈裟に言ってるんだろうと思ってたら、その後でいろんな状況を把握するにつれ、あれは本当のことだったんだなって。2000年の当時からずっとそうなんでしょうね。だから、全然改善されていませんね(笑)」

 今までたくさんご覧になった中で、オススメの映画やドラマを教えてください。

 田代「やっぱり『チェオクの剣』とか『バリでの出来事』は、私の中では基本的な名作として残ってますね。それから、萌えと感動が両立したすごくいいドラマだなと思っているのは『家門の栄光』『がんばれ!クムスン』『シークレット・ガーデン』『トキメキ☆成均館スキャンダル』も好きですね。映画でいうと、ソン・イェジンとチョ・スンウの『ラブ・ストーリー』は好きでした。韓国映画でなくてもいいなら、『風と共に去りぬ』とか『ローマの休日』『シザーハンズ』。この3本が好きです」

 王道ですね!

 田代「私は王道なんですよ。この王道の好みがあったからこそ、ナビゲーターができるような気がします。下手に通好みじゃないから、お薦めするものはかなり同意してもらえます(笑)」

 あまりマニアックになってもいけませんしね(笑)

 田代「わりと周りから言われるのは、私が押した人は必ず(ブームが)来るよね、と。だから、7割の人の好みと同じなんだと思います」

 ヨン様とか?

 田代ペ・ヨンジュンクォン・サンウもそうだし、その辺はもう必ず」

 じゃあ、これから来そうな人は?

 田代「それがなかなか、最近は難しくてね〜!(笑)」

 いろいろな作品が入って来て、ファンの好みがバラけてますよね。

 田代「皆、一ケ所に集中しないから、誰が来るってほんとうにわからない」

 ではそんな中で、特に注目の人は?

 田代「(う〜ん…と考えた後で)パク・シフはいいですね。ビジュアルだけ見た時はそうでもなかったけど、やっぱり動いて、いい役を魅力的に演じる彼を見ると、いいなあって。イ・ミンホもいいと思います。スターオーラとか、役もすごく的確に演じていて、いいなと思うし、俳優としてすごく魅力を感じますね。パク・シフイ・ミンホって、相対する違う魅力ですけど、いいと思います。ユチョンもいいですね。東方神起の時は彼個人にはそんなに注目してなくて、東方神起として好きだったんですけど、役者になってからの彼はほんとに、こんなに才能を持っていたんだって驚かされます。イ・ミンホユチョンパク・シフはいいです。スター性という点でも」(次頁へ)


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●back numbers

台北に舞う雪

台北に舞う雪
監督:フォ・ジェンチイ
主演:チェン・ボーリン、
トン・ヤオ
(エプコット)

台北に舞う雪

小説:台北に舞う雪
著:田代親世
(朝日新聞出版)

東京国際映画祭でプレミア上映された時のインタビュー
フォ・ジェンチイ監督
チェン・ボーリン


家門の栄光

家門の栄光
主演:パク・シフ、
ユン・ジョンヒ
(ポニーキャニオン)

がんばれ!クムスン

がんばれ!クムスン
コンプリート・スリムBOX
主演:ハン・へジン、
カン・ジファン
(ポニーキャニオン)

トキメキ☆成均館スキャンダル

トキメキ☆成均館スキャンダル
完全版DVD-BOX
主演:パク・ユチョン、
パク・ミニョン、ソン・ジュンギ
(東宝)

ラブ・ストーリー

ラブ・ストーリー
監督:クァク・ジェヨン
主演:ソン・イェジン、
チョ・スンウ
(レントラックジャパン)