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asicro interview 53

更新日:2013.10.19

p2 今年で32歳のレスト・チェン監督。お若いですね?と言うと「10年間ずっと言われ続けてます(笑)。30代になったら、もう言われないだろうと思ったけど、まだ言われてます(笑)」35歳を過ぎたら言われなくなるかもしれませんよ?「後、3年もある(笑)」

●なるべくドラマに忠実に描きたかった

Q:監督がこの作品を手がけたことによって、コメディ要素が薄まりちょうどよくなったと日本のプロデューサーが話していますが、どのように調整していったのですか?

 監督「僕は途中からこの作品に関わったので、最初の脚本家ほどうまく作れたとは思いませんが、誰よりもこのドラマをよく知っているし、愛しているという自信がありました。そこで、できれば、なるべくドラマに忠実にしたいという思いが、他の人よりは強かったと思います。それで、こういう風になりました」

Q:なるべくドラマの雰囲気を壊したくなかったということですか?

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中国版でも再現されたトラックの名シーン
(c)2013 NCM FUJI VRPA HAM
 監督「そうです」

Q:もともとは、もっとコメディ要素が入っていたのですか?

 監督「もともとの構造は、ただドラマの美女と醜男の恋愛という形だけを借りていて、中味は中国式の男女の恋愛劇になっていました。そういうのは、原作とはちょっと違うなと。これもコメディですが、ちょっと違うと思ったところをいろいろと変えていきました」

Q:映画に取り入れた、ドラマのここは外せないというポイントはどこですか?

 監督「3つですね。トラックに立ちはだかる。指輪を投げ捨てる。貯金をはたいて宝くじを買う。このうち1つをやったらバカだと思われるけど、3つを全部やったら女の人は感動しますよね(笑)」

●武田鉄矢を起用した理由

Q:武田鉄矢さんの出演は監督が希望されたそうですが、その理由は?

 監督「僕が強く希望しました。武田さんにはメッセージを伝えて欲しかったのです。星野達郎と矢吹薫の物語は、いろいろなことを乗り越えて20年前に幸せになり、20年後も幸せなカップルのままです。そのことを大きなスクリーンで伝えることで、現在のホアン・ダーとイエ・シュンもきっと幸せになれるから頑張れ、と励ましたかったのです」

Q:達郎がしゃべるきつい方言は監督のアイデアですか?

 監督「あのシーンは、武田さんとホアン・ボーさんが考えました」

Q:武田さんにはアドリブでやってくださいと指示したそうですね?

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達郎役のホアン・ダーを演じるホアン・ボー(右)

(c)2013 NCM FUJI VRPA HAM
 監督「先に脚本を書いて送っていましたが、武田さんが上海へ来てからいろいろと提案してくださったので、それを採用しました」

Q:ホアン・ボーさんもいろんなアイデアを出されたそうですね。

 監督「ええ、2人は似てます(笑)」

Q:息がぴったり合っていたのですね?

 監督「合っていました」

●完成した作品について

Q:狙い通りの映画が撮れましたか?

 監督「今回は時間が短かったので、もう少し余裕があればもっとよくできたと思います」

Q:では、残念だったところはありますか?

 監督「とてもたくさんあります(笑)。今回は2ヶ月しか準備期間がなかったのですが、もう1度やるチャンスがあるとしたら、半年くらい準備期間がもらえれば、もっとうまく作れるはずです」(次頁へ続く)


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