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asicro interview 50

更新日:2013.7.10

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大好きなお父さんとは兄弟のような仲

●パルソーくんはアニメーションが大好き

Q:アニメーションも好きだと聞きましたが?

 パルソー「うん!アニメは好きだよ。すごく好き。短編で…ディズニーだったと思うけど『ペーパーマン』ていう映画が、すごくきれいだよ。白黒のアニメーションで、シンプルな男の人の話。紙飛行機を作って飛ばすと、女の子の髪の上に落ちる。女の子はもちろん、その男の人を好きになるんだ…(と、内容を思い出しながら説明)彼女に紙飛行機を飛ばして、なんとか気づいてもらおうとする。それだけなんだけど、時間があったらぜひ観てね。素晴らしい作品だから。僕はそういうアニメーションが好きなんだ」

 と、やや興奮気味に話すパルソーくん。ここで通訳の松下さんが「日本のアニメーションも好きでしょ?」と水を向けてくれました。

 パルソー「日本のアニメーションも好き。僕が若かった頃は…(これにはさすがに「君は、まだ若い!」と皆で突っ込んだので、本人も言い直して)…今より若かった頃は、『ドラえもん』が好きだったし、『クレヨンしんちゃん』は今も好き。パパも好きだよ。『NARUTO -ナルト-』『ゴレンジャー』『忍者ハットリくん』も」

 と無邪気に話すパルソーくんを見て、なぜかホッとする私たちでした。

Q:家庭では対等に会話をしているのですか?

 監督「子ども向けの言葉はありません。経験から言えるのは、私たちが思うより子どもの理解度はずっと高いのです。幼い子どもに話しかけるような話し方は止めるべきですね。健康的な討論はいいこと。この子には兄弟がいないので、私が兄で、妻が姉のようなもの。一緒に話したり、料理したり、食べたりする。それはいい気分ですよ」

●次回作と共演者たちとのこと

M:今、撮っておられる映画はどんな映画ですか?

 監督「日本に来るために、一時中断しましたが、また戻って完成させます。タイトルは『Counting Dreams』。5人の子どもが出て来て、その内の一人がパルソー。5人は5つの違う境遇を持ち、皆開発の犠牲になっていますが、とても意思が強い子どもたちです。彼らはなぜか、お金のかかるスポーツのローラーブレードに魅せられています。持つ者と持たない者が出会うわけです。ただ、お金のない子どもはスケート靴を買えないので、5人の子どもたちはゴミや廃材を使って自分達のローラーブレードを作ります。とても智恵を絞って作るのです」

M:それは、最初に撮ろうと思われていた作品『Sapnon Ka Ginte-Ginte』ですね?

 監督「そうです」

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5人の少年たちは今も仲良し
(c)2011 Fox Stars Studios India Private Limited.
M:他の4人の子どもたちは今どうしてるの?

 パルソー「残念ながら、学校に行ってるよ(笑)。彼らの学校が始まったので」

 パルソーくんの通っている学校はまだ夏休みなのですが、4人が通っている映画の舞台となったホーリーファミリー・スクールは6月16日から新学期が始まったのだとか。

Q:皆、個性的でいい顔をしてるね。

 パルソー「皆、性格が違うしね。普段は携帯メッセージで連絡してる。電話もするし、今年のクリスマスは皆で集まる計画なんだ。すごく楽しいだろうな」

 と、目を輝かせていました。ここで時間が来て、写真撮影に。撮影中にも、もう1つだけ聞きたかった質問をしてみました。

Q:一番好きなインド料理は何?

 パルソー「パパが作るクラブ・カレー(蟹カレー)!」

 うれしそうな表情のグプテ監督は、お料理も得意の美食家。取材部屋には、美しい奥様(パルソーくんのお母さんで、映画の編集者としても活躍するディーパーさん)もいらしたのですが、家庭では奥様よりも監督の方が料理をすることが多いそうです。その辺のお話も、もっと聞いてみたかったなあ。

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松岡さんからミニカーをもらって喜ぶパルソーくん
 それにしても、パルソーくん恐るべし。最後に、子どもらしい話が聞けてよかった。実は私たちの取材は、予定より20分ほど遅れていました。というのも、この取材の前に、大好きなナルト・グッズをプレゼントされて狂喜乱舞したとのこと。「ママにも見せる!」と飛び出して行ったパルソーくんを、外で待っていた私も目撃していました。

 どうやら、パルソーくんは取材のたびにプレゼントをもらっていた様子。実は、アジクロからも子どもが喜びそうなお菓子をいくつか持参したのですが、1つ1つ取り出しては喜んでくれました。そして「これは持って帰って友だちと分ける」「これは僕が一人で食べる」と一番うけたのは、アンパンマンの絵がついたチョコレート。やっぱり、アニメが大好きなんですね。すでに、立派な大人になりそうなパルソーくんですが、無邪気な面もそのままに、まだまだ少年でいて欲しいものです。そして、グプテ監督の次回作『Counting Dreams』で、さらに成長したパルソーくんに会えることを楽しみに待ちたいと思います。

(2013年6月20日 銀座クレストンホテルにて単独取材 with 松岡環さん)


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パルソーくんおすすめのアニメ
Paperman

6分程度の短編。ディズニーらしく、とても味わい深い作品です。子どもにも通じる、かわいいファンタジー・ラブストーリーですが、仕事に疲れた大人にこそ観て欲しいかも。
YouTubeで見つけることができますので、ぜひご覧ください。