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asicro interview 42

更新日:2011.11.3

オ・ヨンドウ

韓国インディーズ界の旗手、オ・ヨンドウ監督
『エイリアン・ビキニの侵略』
はこうして誕生した!
 −オ・ヨンドウ(監督)

 10月22日より公開中の『エイリアン・ビキニの侵略』。韓国インディーズ映画界の新鋭オ・ヨンドウ監督にとって、本作は初の長編映画であり、今年のゆうばりファンタスティック映画祭で見事グランプリを受賞。その後も世界の映画祭への出品が決定しています。この摩訶不思議な怪作はいかにして誕生したのか、オフィシャル・インタビューが届いたのでご紹介します。

Q:今回、このような何でもありの作品を作ろうと思ったきっかけは?

 オ・ヨンドウ監督「最初はエイリアンを撮ろうとか、ビキニを撮ろうとかいった目的もなく、シナリオもありませんでした。主演のホン・ヨングンさんの腹筋を見て『これを映画にしよう』と思い立ったんです(笑)。そこにたまたま(ハ・モニカ役の)ハ・ウンジョンさんが遊びに来て、彼女をキャスティングすることになり、彼らと一緒にリハーサルをしながらストーリーを固め、映画を撮り始めました。だから、脚本ありきでふたりを起用したのではなく、まずふたりを主役に据えてから中身を考えたんです」

Q:主演のホン・ヨングンさんとは、付き合いが長いそうですね。

 監督「彼とは軍隊で知り合いました。私の最も古い友人のひとりです」

Q:最初からエロティックな映画を撮りたいという意志があったんですか?

 監督「先ほども言いましたが、まず企画の出発点が『ホン・ヨングンの肉体』だったものですから(笑)。肉体とエロティシズムは切り離せないものです。実際そこまでエロティックな映画だとは思いませんが、私自身、そういう要素を正面から描くのは初めてだったので、大きなチャレンジでした。個人的にはアクション映画がいちばん好きなんですが」

監督

俳優でもいけそうなイケメン監督
Q:アクションシーンの演出は確かに素晴らしかったですね。

 監督「アクション担当の3人の俳優は、元々武術に精通している人たちで、ひとりは異種格闘技の試合で5戦5勝しています。だから、夜中に町なかで撮影していても恐いものなしでした(笑)」

Q:ハ・ウンジョンさんのセクシー美女エイリアンっぷりが何しろ最高だったんですが、彼女に会った瞬間「この人を脱がしてみたい!」とか思ったわけではないんですか?

 監督「それはあまり考えませんでした(苦笑)。企画を思いついた時、相手役としてウンジョンさんが適任だと思ったんです。キャスティング時には、映画の内容を簡潔に伝えて、やる気があるかどうか尋ねました。『君がOKしなければ、この映画は作らなくてもいいかと思ってるんだ』みたいな話もしましたね」

Q:彼女の貢献度は高かった?

 監督「もちろん。脊髄からエイリアンが出てくるという案や、ふたりがジェンガみたいなゲームをしたらどうか?という案も、彼女から出てきたものです。彼女に限らず、この映画はスタッフ・キャスト全員で一緒に作ったものだと考えています。例えば、ハ・モニカが黒板を爪でこする場面は、私がトイレに行っている間に、俳優たちが芝居からカメラアングルから何から準備を整えていたんです。戻ってきたら、あとはカメラを回すだけという状況でした」 (次頁へ)


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profile
オ・ヨンドウ/O Yeong Tu

1975年1月26日生まれ。95年から映画界で働き始め、07年に短編『クリスマスを切る』(未)で監督デビュー。翌年、映像製作集団キノマンゴスチンを立ち上げ、オムニバス・ゾンビホラー『隣のゾンビ』(09)を製作。プチョン国際ファンタスティック映画祭で観客賞、審査員特別賞を受賞。韓国インディーズ映画界で注目される。

初の長編作品『エイリアン・ビキニの侵略』(11)はゆうばり国際ファンタスティック映画祭でグランプリを受賞。映画祭の支援を受け、次回作は未来からきた女性と一緒にタイムマシンを探す探偵が主人公のSFミステリーアクション映画を製作中。主演はホン・ヨングンとハ・ウンジョン。
filmography
・クリスマスを切る(07)
 *短編
・隣のゾンビ(09)
 *短編オムニバス
 第1話・第2話
・エイリアン・ビキニの侵略
 (11)