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asicro interview 21

更新日:2008.1.17

祝祭音楽劇「トゥーランドット」製作発表記者会見

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前列左よりワダ・エミ、宮本亜門、岸谷五朗、アーメイ、中村獅童、久石譲、鈴木勝秀
後列左より:小林勝也、早乙女太一、安倍なつみ、北村有起哉

 インタビューの翌日、三井倶楽部別館というクラシックな場所で『トゥーランドット』の製作発表記者会見が開かれました。豪華なスタッフとキャストが一同に会し、様々な報道陣が詰めかけていました。この日、初めて他のキャストと対面したアーメイ。やや緊張した面もちで、カンペを見ながらでしたが、日本語でご挨拶を始めました。

 アーメイ「はじめまして。私はアーメイです。今回『トゥーランドット』に参加できて、とても光栄です。精一杯頑張りますので、どうぞよろしくお願いします。(拍手。その後は中国語で)この作品に参加できて、とてもうれしく思っています。スタッフの皆さんも、キャストの皆さんも、とてもプロフェッショナルで、日本だけでなく世界的に有名な方ばかりなので、この機会をかりてたくさん勉強することがあると思います。『トゥーランドット』は古典の名作ですが、いろんな芸術家や音楽家が関わって来た代表的な作品です。今回は自分なりの方法でトゥーランドットというキャラクターを作っていきたいと思います。皆さんにぜひ、アーメイのトゥーランドットを好きになっていただけるよう期待しています。どうぞ、よろしくお願いいたします」

 相手役のカラフを演じるのは岸谷五朗。
 岸谷「この作品も、この登場人物たちも、ほんとうにこの瞬間に出会った人たちの物語で、なにか1つの大きな事件が起きたり、心を揺さぶられることが起きたり、人生に1度しかないことが起きたりする、そんな瞬間だと思っています。こけら落としというのもそうですし、ほんとうに優れたアーティストの皆さん、芸術スタッフの皆さん、舞台をほんとうに愛している俳優の皆さんが、こういう風に集まれた中に入れて、ほんとうに幸せです。これから稽古が始まりますが、どんな科学変化が起きるかとても楽しみです。亜門さんが具現化したいと頭に描いているものを、俳優の力でそれに近づけていければ、いい作品ができると信じています。応援してください」

 そして、原作にないワン将軍という役を演じる中村獅童は
 中村「新しい劇場で、新しい役柄。原作にないオリジナルな役なので、演じることが非常に楽しみですし、一流の諸先輩の皆様とやらせていただけるのをとてもうれしく思っています。先ほど、ちょっと音楽も聴かせていただいて、あ、もうすぐ始まるんだなあという気持ちになってきました。精一杯演じたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたしします」

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 その他、トゥーランドットが唯一心を許せる官宦ミンを、劇団朱雀二代目として活躍中の早乙女太一、カラフに思いを寄せる娘リューをモーニング娘出身の阿倍なつみ、カラフを導く賢者の老人ティムールをベテラン舞台俳優の小林勝也、庶民を代表する物売り役を独得な存在感で人気の北村有起哉が演じます。

 早乙女「僕が一番歳下で先輩たちの中に入れてもらいまして、いろいろと勉強するところもありますし、まだまだ僕のいたらないところも、いろんな人に教えてもらいながら、この公演を自分のプラスにしたいと思います。できるかぎりの力で演じたいと思いますので、よろしくお願いします」

 阿倍「リューという役は、カラフにとても献身的で秘かに思いを寄せる女性です。宮本亜門さんをはじめ、共演者の皆様にいろいろ教えていただいて、自分を高めていきたいと思っています」

 北村「僕の役は庶民代表というちょっと独得なポジションなんですが、台本を読ましてもらいまして、存分に演じて楽しめるような役をいただきました。なんといっても、こけら落としで、柱の匂いとか、ペンキ塗りたての匂いとか、入ってみないとわかりませんが、初舞台の初日の舞台を踏む一歩目というのが、とっても楽しみでなりません。頑張りますので、よろしくお願いします」

 小林「ティムールというのは老人ということで、これは見た目も老人になりましたので(笑)できると思いましたけど、賢者というのはやったことがない役で、これが一番大変だと思います。祝祭音楽劇というのに出るのも初めてで、いろいろ楽しみでもあるのと同時に、不安とドキドキでおります」

 と、それぞれに抱負を語ってくださいました。その後は記者からの質疑応答へ。ここではアーメイへのQ&Aをご紹介します。

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会見当日のアーメイ
Q:日本語での歌と演技ですが、日本語の勉強はされていますか? 不安はありませんか?

 アーメイ「このお仕事を受けた時は、とてもうれしくて興奮したのですが、その後で歌詞もセリフも全部日本語だと聞いて、逆にとってもこわくなりました。どうしようかなと思いました。でも、とてもいいチャンスなので、頑張って勉強しようと思ったのです。私は歌手として長年歌ってきましたが、今回はこの公演を通して別の世界が開けると思います。日本語を頑張って勉強して、私の別の一面を作っていきたいです」

Q:これからの日本での生活で楽しみにしていることは?

 アーメイ「日本へはよく来ています。仕事で来たり、遊びに来たりしています。その時、友だちがいろんな所へ連れて行ってくれるので、いろんな所へ行きました。食べるのも好きだし、買い物も大好きです。今回は、もし稽古の途中でお休みがあるならば、まだしたことのないことをしたいです。それは、汽車に乗って遠くへ行くこと。汽車に乗って風景を見ながら、一人で旅行するのが大好きなんです。そうすることで、新しいインスピレーションがいろいろと湧いて来くるので。それが今の希望です」

Q:京都の手織り職人さんたちが作った衣装を着た感想は?

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美しい衣装の数々(拡大して見る)

 アーメイ「衣装を見た時は、とても豪華できれいだと思いました。この衣装には、冷酷で無情だけど、心の中にはとても熱いものを秘めているというトゥーランドットのイメージが、とても表われていると思います。これを着たら、私もトゥーランドットになれるという気持ちでいっぱいです。この衣装を着られて、とてもうれしいです」

Q:日本での好きな食べ物や場所は?

 アーメイ「友だちに連れていかれたので、場所の名前は覚えていませんが、好きな食べ物はラーメンです」

 豪華スタッフ&ゲストが結集し、総勢60余名で繰り広げられる祝祭音楽劇『トゥーランドット』。新しい劇場で新しい『トゥーランドット』に出会えるのは、3月27日からです。


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●back numbers
トゥーランドット情報
赤坂ACTシアター
グランドオープニング
祝祭音楽劇
「トゥーランドット」
http://turan.jp/

公演日程
●東京公演:3/27-4/27
 赤坂ACTシアター
 *37回公演
●大阪公演:5/2-9
 梅田芸術劇場メインホール
 *10回公演
●名古屋公演:5/13-22
 御園座
 *12回公演
チケット情報
●東京公演
 S:13500円/A:9500円
●大阪公演
 S:13500円/A:7000円
●名古屋公演
 S:13500円/A:7000円
*未就学児童入場不可
*1/19より発売
*各公演の詳細な日時は公式サイトへ。
staff & cast
演出:宮本亜門
脚本:鈴木勝秀
音楽:久石譲
作詞:森雪之承
衣装:ワダ・エミ
振付:ダレン・リー

トゥーランドット姫:アーメイ
カラフ:岸谷五朗
ワン:中村獅童
リュー:安倍なつみ
ミン:早乙女太一
ティムール:小林勝也
物売り:北村有起哉
*総勢60名以上
Staff Voices

宮本亜門
プッチーニの名曲は大変素晴らしいんですが、今回は音楽を久石さんにお願いして、我々はあのオペラとは違う新たな音楽劇を作ろうということで、今どんどん作曲してもらっている最中です。素晴らしい曲もたくさん生まれてきました。新しい可能性と新しい感動を皆さんにお伝えするために、頑張りたいと思います。

久石譲
トゥーランドットという題材自体がとても有名なので、そのリメイクを引き受けるというのはとてもリスクが高くて…。なおかつ、ミュージカルというのはあまり好きではないので(笑)どうしようかと相当悩みました。トゥーランドットは実はプッチーニが作ったお話はなくて、15世紀からあるお話で、謎出し姫だとかそういう形で、いろんな作曲家も書いています。ですから、逆に現代の我々のやり方で新しいトゥーランドットができるのではないでしょうか。期待してください。

ワダエミ
新しいプッチーニというよりも、新しいトゥーランドットという発想から作った衣装です。現在、約98%できています。アーメイに着ていただくトゥーランドットの衣装は、実は今年の3月末頃から京都の手織り職人さんに作ってもらいました。その他、いろんな日本のアーティストと中国のアーティストが合作した衣装です。まだ脚本がなかったので、宮本亜門さんがお書きになったシノプシスだけを頼りに勝手に作ってしまったんですが、この後はなんとか亜門さんがつじつまを合わせてくれることを願っております(笑)。劇場を入ればそこがトゥーランドット国という、それくらいたくさんの衣装を作りました。

鈴木勝秀
劇場のこけら落としに使う作品のお話をいただくのは、なかなかないこと。普段は演出をしているんですが、今回は脚本ということで、ぜひやらせてくださいとお返事しました。亜門さんや久石さんからいろんなアドバイスをいただき、それを盛り込むことが仕事だと思って頑張ってやりました。元の作品から大きく違うのは、獅童さんが演じるワン将軍が登場してくることですが、全体としてはヒューマニズムに溢れた作品になればいいなと。久石さんもどんどん曲を作って盛り上がっているところなので、きっと素晴らしい作品になるだろうと期待しています。