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asicro gourmet file no.03

「アジアンデザート」シリーズ3・フィリピン
掲載日:2004.4.13
更新日:2004.12.29
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ハロハロ

ハロハロ。
かき氷の中にナタデココや小豆、ココナツの砂糖づけに色をつけたマカプノ、ウベ芋のペースト、コーンフレークなどがたくさん入っている。グシャグシャかき混ぜて食べるのがフィリピン風。(950円)

 まだあまり一般的には馴染みの薄いフィリピン料理。一体、どんな味がするのでしょう? デザートの話に入る前に、まずフィリピン料理の特徴について、フィリピン料理レストラン『カイナン』の水沼シェフにお聞きしました。「タイ料理ほど辛くないしベトナム料理とも違う。どちらかというと酸っぱい系ですが、まろやかでさっぱりしています。」

 そのルーツはスペイン統治時代のスペイン料理にあり、トマトソースやタマネギ、ニンニクを使った料理が多いとか。その後、華僑による中華料理やアメリカン・フードの影響もプラスされて、現在のフィリピン料理ができあがったそうです。

 そんなフィリピンのデザートはというと、マンゴーやウベ(紫イモ)、タピオカ、ナタ・デ・ココにココナッツミルクとコンデンスミルクやエバミルクをかけたものがベース。甘みの強いのが特徴です。「フィリピンは暑いですから、これくらいメリハリの効いた味じゃないとだめなんです。」お客様の7割がフィリピン人というのもあり、『カイナン』では日本人向けに甘味を調整するということはせず、本場フィリピンと同じ味を出しています。

 ハロハロはフィリピンで最もポピュラーなデザート。その昔の戦時中、日本兵が食べていたかき氷を見て真似たという説もあるようですが、定かではありません。日本と違うのはトッピングならぬ、かき氷の下にナタ・デ・ココ、小豆、コーンフレーク、そして色とりどりに着色されたマカプノというココナッツの砂糖づけが入っていること。一番下の赤はグラマンで、ウベペーストの紫色も鮮やかです。これらを溶けない内に、スプーンでグシャグシャかき混ぜて食べるのがフィリピン流。これは初めて体験した味でした。

 レチェ・フランは一見チーズケーキを思わせるフィリピンのプリン。プリンと言うにはかなり硬めでどっしりしているのですが、口に入れればその味はまさしく卵プリン! 1ホール作るのに卵黄だけを6個使用してあり、濃厚な味わいです。ココ・マンゴ・サゴはナタデココとタピオカをマンゴソースで和えたもので、酸味の強いフィリピン産マンゴのソースがコンデンスミルクの甘味とちょうどいい具合に混ざり合い、さわやかなおいしさでした。

 なかなか食べる機会の少ないフィリピンのデザート。六本木とあって営業時間は午後6時からですが、8時からはフィリピンの歌手によるライブがあることも。水沼シェフからのメッセージは「まだ食べたことのない人々に、ぜひ食べていただきたいと思います。」

レチェ・フラン

レチェ・フラン。
卵黄たっぷりのフィリピンプリン。(550円)


ココ・マンゴ・サゴ

ココ・マンゴ・サゴ。
ナタデココとタピオカのマンゴソース和え。(650円)


カイナン(KAiNAN)六本木(東京)

カイナン

フィリピン料理レストラン・カイナンが六本木にオープンしたのは約3年前。場所がら、付近のフィリピン大使館職員が食事に来たり、六本木界隈で働くフィリピン人の方たちが仕事の後で寛ぎに来ることも多く、客層の70%がフィリピン人とか。入口はドア一枚だが、中に入ればフィリピンスタイルのきちんとしたレストランでメニューも豊富。本場フィリピンスタイルの味が楽しめる貴重なレストランだ。ライブ(木・金)は状況に応じて8時前後から9時頃まで。
※詳細はhttp://www.snaiper.co.jp/kainan/index.html

*フィリピン・レポートで「フィリピン料理」をご紹介しています。



カイナンデータ

東京都港区六本木5-1-5
加藤ビル3F
●TEL/03-5411-5321
●営業時間/18:00〜翌6:00
●定休日/日曜、祝日
●最寄駅/
 地下鉄日比谷線・大江戸線
 六本木駅3番出口より徒歩1分
 外苑東通り沿いを飯倉方面へ


 店長の水沼さん

 店長・料理長の水沼さん

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